「宝探し」という言葉から、あなたは何を思い出すだろうか。海に沈んだ“財宝”、山奥に隠された“金塊”、埋葬された遺体と“黄金”、密林の向こうの“黄金遺跡”…いくつかのパターンやシーンが頭に浮かぶ。そういえば日本でも、昔は“この手”の冒険番組が多かった。大抵は何も出てこないのだが、それでもかたずをのんで中継を見守ったものだ。最近の日本は、どうも“この手”の番組が乏しい。自分が得られるわけでもないのに、あのドキドキ感はいったい何だったのだろう。アメリカの富豪には、私財を投じて「宝探し」の“お遊び”を行う人が時々いる。彼もその一人だ。サンタフェに居る大富豪フォレスト・フェン氏86歳。ハッキリ言えば、いたずら好きなおじいちゃんだ。彼は7年前に自費出版で回顧録を出し、その本の中で自らが築いた財産の一部を山中に隠した、と公表した。金の塊、古代の腕輪、首飾り、宝石が詰まったブロンズ製の箱を、自らがニューメキシコ州北部山中に埋めたというのだ。或る試算によると推計2億円?。そして、その場所に関しては、回顧録の中に“九つのヒント”がちりばめられているらしい。それにしても、自費出版で出した回顧録の中に、そういう“お遊び”をする。もしかすると回顧録なんてどうでも良くて、自分の“お遊び”に付き合ってくれる読者を求めていたのかもしれない。ところが予想以上に反響は大きかった。お金持ちのおじいちゃんにとっては、単なる“お遊び”で埋めた宝なのだが、一般の人々にとっては、喉から手が出るほど欲しい“ブロンズ製の箱”だった。そこで、どうなったかというと、実際に捜しにやって来る者たちが後を絶たない。この7年間で10万人に達したとも言われる。しかも、その中には危険を冒し、命まで失った者が何人も出て来ている。つい最近も、50代の牧師さんが、この冒険を試みた。どうして牧師さんが試みたのか、日本人にはその方が“謎”なのだが、ともかく彼は消息を絶ち、やがて川で遺体となって発見された。神は“牧師が金塊を捜す”ことを許さなかったのだ。こうして何人もが命を落とすことで、地元警察はいたずら好きの富豪フェン氏に対し、もう「中止すべし」と警告した。彼は、それに対して、まだどうするか態度を決めていない。昔から富豪の“お遊び”にはろくなものがない。ただ彼自身は、ちょっとした“お遊び”のつもりが、“危険な火遊び”だったようで…困惑。
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