時々、悲惨な事件はどうすれば避けられるのだろう、と思うことがある。茨城県日立市で起きた妻子6人を夫が殺害して、自宅まで放火した事件。放火までしながら、容疑の夫は自ら自首している。いったんは放火して“焼死”を装うと思ったが、燃え尽きずに火が消えてしまったので、観念し自首したのだろうか。それにしても、妻以外はほとんど抵抗することもなく殺されている。刺し傷らしいので、相当鋭い刃物ということになる。子供は5人もいたのに、容疑者の夫は仕事が長続きしないタイプだった。妻・恵さんは薬剤師で、おそらく彼女によって生活費は賄われていたのだろう。妻が知人などに3~4年前から「別れたい」と話していたようだ。犯行動機については「妻から別れ話を切り出された」と供述しているらしい。仕事が長続きしない夫にとって、家庭・家族は、精神的にも経済的にも手放せないものだったのだろう。一部に妻に交際相手が出て来て、別れ話を持ち出され、すべてを失う…という想いが凶行に走らせた、という観方もある。容疑者については「無口だった」という評価が多い。言葉では奥さんにかなわないから、凶器を持ち出したということかもしれない。このような事件の時に、私がいつも思うのは、未来の選択肢は決して一つではないということだ。「未来への扉」が一つしかないと思い込むと、絶望して自暴自棄となる。例えば、このケースの場合、もしかしたら夫の方は、別れて“第二の人生”を歩みだすことで、かえって幸福が掴めるかもしれないのだ。ネットの反応などを見ると、この容疑者に対しては誰も“擁護”していないが、多少は“良い部分”があったかもしれない。これが50代以上であれば、どうすることもできないが、まだ32歳なのだ。いったん独りになって、考え直して「ゼロ」から再出発すれば、“新たな人生”と“ささやかな倖せ”を掴めたかもしれない。同じような事件が昨日は北海道の岩内町でもあったが、こちらは25歳の夫が口論となって28歳の妻を刺殺している。自暴自棄になって「一つのドア」を暴走していく前に、立ち止まる理性があれば、未来には「いくつものドア」があり、それぞれの未来が待ち受けていることに気付いてほしい。
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