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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


父親への愛情と信じたい「殺すのか」の包丁⁉


人はときどき衝動的な行動に出る。それが行き過ぎると“逮捕される”ようなことにもなる。昨日、神戸市内の救急隊員が出刃包丁で脅迫を受け、その場で容疑者が取り押さえられる事件が起こった。その日、119番通報を受けて一台の救急車が要請先に向かった。その家では、このところ2~3日食欲がなくなり衰弱している90代の父親が居た。それを心配した67歳の息子からの通報だった。だが衰弱しているとはいえ、緊急を要するほどの症状ではなかった。到着した30代の救急隊員は、横たわっている老人にいくつか問診をしながら、相応しい受け入れ先の病院を探していた。もちろん、その症状に相応しい受け入れ先が決まらなければ、病人を運び出せない。ところが、通報してきた息子は何故か焦っていた。「なにをしているんだ」と言ってきたが、かまわず病院との電話のやりとりをしていた。もう一度言って来たので「大丈夫です、もう少し待ってください、いま受け入れ先を見つけ出しますので…」と説明した。いったん、その説明に納得したように思えた息子は台所へと消えた。そこで再び、病院との電話を進めていると、戻ってきた息子の手には出刃包丁が握られていた。「お前ら、衰弱している親父を殺すのか」反射的に立ち上がった救急隊員は息子の手首を掴んで取り押さえた。そして別な隊員に、警察へと電話するよう頼んだのだ。こうして、だれも負傷することなく事件は解決した。救急車到着から“出刃包丁の脅迫”まで、わずか4分ほどの出来事だった。その後、父親の方は無事に“受け入れ先”へと搬送された。このニュースを知った時、私は最初、なんと“父親想いの息子だろう”と思った。父親への愛情の強さから、ついカッとなって出刃包丁を取り出したに違いない。まあ、出刃包丁で脅すなど論外だが、それでも“父親への愛情”として半分許せるか、と思ったのだ。けれども、もし、ほんとうに愛情深いなら、自らが背負ってでも近くの病院へと運ぶのではないか、と考え直した。この息子は無職で67歳だった。もしかしたら、二人暮らしだったのではないか。そうして父親の年金で暮らしていたのではないか。そうだとすれば、父親が衰弱していっては困る……ということになる。親子の愛情というよりも、自分の生活が掛かっているから「生きながらえてくれなければ困る」ということだったのではないか。そうではなく、あくまで“父親への愛情の深さ”が巻き起こした珍事件であると信じたい。
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