| 古典的な人相の原書では、この弓形となることが男性の眉の理想形とされています。男性の役割として、古代においては「弓によって獲物を射ること」が必修だったからです。もちろん、現代では日常において弓を使うことなどなく、そういう役割もないので、必ずしもこの形状が理想とは言えません。ただ、男性らしい勝気さと、勝負強さ、精力にあふれた人の相ではあります。手入れなどせず、自然なままでこのような形状となっている場合は、何らかの特技や特殊能力を秘めている相で、社会的にも早くから成功します。親・兄弟などの家系的血筋が良いのも特徴です。 |
| 古典的な人相の原書では、この三日月形となることが女性の眉の理想形とされています。実際には三日月のような大きな弧は中々描けないものですが、それに近いような形は化粧も加えてなら時折見受けられます。現代の人相書では「新月眉」とも称されております。現代では料亭やホテルやサロンなどの客商売をしている女性に多く見かけ相です。家庭婦人の場合は華道、茶道、舞踏、書道、音楽などを自宅で教えているような人に多いものです。穏やかで、包容力があり、情感の豊かな性質を持っています。あまり競争社会や荒っぽい仕事分野などには向いておりません。 |
| 眉の相の中でも、一般の方でも解りやすく、目立ちやすいのは極端に濃い眉です。これは太い眉とは異なって、その濃さが際立っている相を云います。もちろん、これは自然な状態での濃い眉を云うのですが、たとえ化粧として濃い眉にしていたとしても、それが世間的な顔として認識されているなら、濃い眉として扱って構いません。濃い眉は血縁関係の縁が深く、親・兄弟との関わりがいつまでも続く相です。女性で眉が濃すぎると、実家・親元からなかなか出られません。代々続く家業を受け継いでいく人とか、女性で婿養子を取る人にも、しばしば見かける相です。 |
| 生まれて間もない頃や、或る程度の年齢になると、眉が薄くなるケースが多いものですが、十代後半から五十代半ばにかけて明らかに薄すぎる眉は、親・兄弟など身内との縁が乏しいものです。このような眉の場合、本人も親・兄弟に対してあまり親しもうとする気持ちが少ないもので、早くから親元を離れて苦労するとか、片親で育った人などにしばしば見かけるものです。どちらかと云うと親・兄弟だけでなく、子供に関しても苦労するなどしやすいようです。ただ時代の変化に対応する能力は素早く、交際範囲等は広くなる傾向を持ちます。話術にたけている人が多い。 |
| 通常眉の長さは、目の長さに大体比例するか、それより若干長い程度ですが、古代エジプトの絵画で描かれた女神のように一見して長く感じられる眉は、家系・血統の良さを表すものです。特に、この長い眉で眼と眉との間が広ければ、先祖からの遺産・相続や家業継承に相応しい相となります。長い眉で、しかも眉自体が濃ければ、親・兄弟との縁が深く、就職も、結婚も、出産も、親・兄弟など身内からの影響を受けるような傾向が見受けられます。また、眉が極端に長ければ、遠方との関わりも深まる形で、海外取引であるとか、旅行・移動によって幸運がもたらされます。 |
| 眉が目立つほど短いのは、独立独歩で早くから親元を離れる人に多い相です。同じ眉が短い相でも、眉間が離れ過ぎているため短く見えるのは、度量があり、寛大で、若くして人の上に立つような人に多いものです。同じ短い相でも、眉の後半部分が剥ぎ取られたように消えて短いのは、信頼度の乏しい人に多く、気が短く、喧嘩っ早く、金銭面での苦労を抱えやすい人の相です。この場合、化粧などで普段から補っていれば、生活面でも金銭上などで補われるものですが、剥ぎ取られたようなままだと、親・兄弟との交流も乏しく、親友からも裏切られやすいことでしょう。 |
| 眉が極端に細いのは女性に多く、男性には稀にしか見受けられません。もし、剃っているとか、抜き取っているとかでなく、自然なまま眉が極端に細いのは、身内・家族の縁に恵まれず、親・兄弟はもちろん、正式な配偶者や、自分の子供との縁も、長続きしにくい相となります。女性の場合、このような相であれば、化粧などで終始補うと多少違った傾向が出て来るものです。男性の場合、通常の男性の眉の基準よりも極端に細いのは、性格的にも弱くて男らしさにも欠ける相です。女性で、眉の細さに加えて眼と眉との間が狭ければ、独身のまま愛人として過ごす相です。 |
| 眉が極端に太い相は男性に多く、女性には極めて稀にしか見受けられません。眉が極端に太い場合、その眉が短いか、長いかは重要で、短い場合は荒っぽい労働者などに多く、人情は厚いが頑固で融通が利かず、臨機応変に物事に対処するのは苦手な人の相です。眉が太くて長いのは、情愛豊かでボランティア精神に富み、身内の世話・苦労が絶えない人の相となります。また、兄弟・同僚・親友との縁が深く、それらが原因で金銭的損失を被ることも少なくありません。健康的には家系・血縁的な疾患を持病として持ちやすい人の相です。困っている人を放っておけません。 |
| 眉の途中に切れ目が存在しているのは、男性にも、女性にも、見受けられる相です。そして例外なく、兄弟に早死にした人物を持っている人の相です。その切れ目のある位置によって、上の兄弟か、下の兄弟かが判ると云い、目の中心より上なら兄姉であり、目の中心より下なら弟妹であると言われています。ただ実際には、大方の場合はそれで的中しますが、絶対ではないので、その点は注意すべきです。なお、兄弟が早死にしていても、眉に切れ目が見当たらないのは、すでに完全に成仏している印しか、本人にその記憶が薄れてしまっているかであることを意味します。 |
| 眉尻上部が三角形に突き出ているのは、男性に多く、女性には稀にしか見かけません。男性の場合、額下部がややせり出ている人に多く、有能なビジネスマンや、技術者、芸術家にしばしば見受けられます。彼らは勘が鋭く、自分の技術や特殊能力には絶対の自信を持っているものです。そして、それに相応するかのように収入も徐々に増えていくものです。女性の場合も優秀な才能の持ち主ですが、尖りが目立つと、やや勝ち気すぎて負けず嫌いな点が前面に出やすいものです。この眉の持ち主は、たとえ今現在収入に恵まれていなくても、必ず才能でお金を掴むものです。 |
| 男性に多く、女性に少ない眉相の一つが「一の字形」の眉です。ただ昔と比べると、最近は女性たちにも細い「一の字形」が多くなってきました。この形は、男性と女性とでは太さに若干違いが見受けられますが、共通して眉自体は濃い人が多いものです。眉の濃い一の字形は、何事にもストレートな性質で、その行動も、言葉も、ややストレートすぎるきらいさえ見受けられるものです。女性の場合、あまり家庭的とは言えず、対人関係も得意な方ではありません。男女とも、接客的な仕事には適さず、事務系や技術系であれば、真面目で働き者として活躍できるでしょう。 |
| 「への字形」の眉は、「弓形」の眉と、ほぼ同一の形状です。ただ、図解からも分かるように微妙な違いはあります。形状的には「への字形」の方がスッキリとしています。欧米の女優やモデルなどにしばしば見かける相で、個性と才能とセクシーさがあって人気を出していくタイプの女性に多いことが特徴です。芸術・芸能の分野では特に認められやすいようです。男女とも性格的には負けず嫌いで勘の鋭いところを持っています。金運も良く、若くして大金を手にするようなことが生じやすい人の相でもあります。また美的感性が鋭く、大変おしゃれなことも特徴です。 |
| これは方眉だけでなく左右の眉を合わせて「ハの字形」に見える眉のことで、つまりは眉頭よりも眉尻の方が下がっている相と云うことになります。人間は、泣いている時にも、笑っている時にも、眉尻がやや下がり気味となるものです。この相で、眼と眉の間が広ければ、部下・後輩運の強い人の相で、世話好き、面倒見の良さが顕著です。女性で、若いときから眉尻だけが下がってパッと見が泣き顔に見えるのは、初婚で幸せになれない人の相で、結婚運が良くありません。老人になるにしたがって「ハの字形」が目立つのは、子供や孫に慕われ晩年恵まれる人の相です。 |
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