| 耳朶は→の部分ですが、人相学的には「垂珠(すいしゅ)」と呼ばれます。大黒様の絵や彫像を見ると分かるように極端なほど大きな耳朶が特徴の一つとなっています。つまり大昔から財運を運んでくれる顔として、耳朶の大きいことが条件の一つとして、仏教徒の間に浸透していたものと考えられます。俗に云う「福耳」と呼ばれるものがこれです。西洋系の人相書では、耳朶と財運とは全く関係がないと主張していますが、日本人における実占経験からすれば、耳朶の豊かな人の方が晩年の財運には恵まれているようです。人柄としても優しく包容力に富んでいるようです。 |
| 耳朶の大小は多少体形とも関係があって、全身が痩せていて無駄な肉のない体形をしている場合、耳朶も薄く、小さいケースが多いものです。この図のように、ほとんどないに等しい耳朶は好き嫌いが激しく、潔癖感の強い人の相です。女性の場合、正式な入籍・結婚に縁のない人が多いようです。この部分は「陰徳」とも関係があると云われ、ボランティアなどの奉仕活動を行っていると自然に大きくなるような傾向も見受けられます。耳朶が乏しい場合、若い頃は経済的に恵まれていても、後半生になって苦労しているケースが多く、お金が手元に残らない人が多いようです。 |
| 耳穴下部のことを人相学的には「風門」と呼びます。間違いやすいので繰り返しますが、あくまでも穴の下部に限ります。古典的な人相の本には、ここの穴の大小は「女性器の穴の大小と関係がある」などと書かれていますが、これは無関係のようです。むしろ、女性の性愛と関係が深いのは、穴の外側に沿って突き出ている内郭下部の部分で、この部分が発達している女性は性欲旺盛です。穴自体の方の風門は、男女とも大きいほど相手の話を聴き入れる人間としての器が大きいようです。ただ女性の場合、身体目的で接近する男性を拒絶できない脆さを持っているようです。 |
| 耳穴下部の風門入口が極端に狭く細くなっているのは、あまり相手の話を聴き入れることのできない狭量さを感じさせます。他人の相談事に乗るなどは嫌いですし、種々の生き方や考え方に耳を傾けようと云う気持ちも滅多に生じません。男性の場合、社会的常識にやや疎いケースも見られます。自分に直接的な関わりがないことに対しては極力耳をふさいで生きていきたい気持ちが強い人の相です。女性の場合、精神的な愛情を伴わない性行為に対しては身体が拒絶反応を示しやすいものです。貞操観念は強い相です。男女とも接客業には向かず、専門職には向いています。 |
| 耳の内郭が突き出ているのは男性よりも女性に多い相です。耳を顔の正面から見た場合、内郭が突き出ている場合は、その突き出ている部分が耳の外輪線から外側に食み出て強調されているのが特徴です。このような耳で、その形が特殊・奇形であれば幼少時代を不遇に過ごしていた証で、自分の先祖・血縁に対してトラウマ的拒絶感が見受けられます。内郭が突き出ていても、全体的に耳の形が整っていれば、自分の生き方、考え方に強い執着を持っていて、家業とか親の仕事に対しては拒絶的です。男女とも親への反発心が強く、早くから自立・独立の道を歩もうとします。 |
| 耳の外側のラインである外輪は、一見して整って見えることと、やや崩れたような印象を与えることとがあります。この外輪が丸く整っていれば、幼少時代に恵まれて育ったことを表すものです。特に、外輪が通常よりも太く、ふっくらとした印象を与える耳の外輪は、幼少時に心身とも健康で、素直に育っていることの証となるものです。また、先祖・血縁から与えられる恵まれた素質があって、成人後も幸福を掴みやすい人の相となります。事業・商売で親の後を継ぐのに、これほど相応しい相はありません。また、晩年も家族たちに囲まれ、豊かに過ごせるものです。 |
| 耳の外輪が細いだけでなく、耳全体が薄っぺらで厚みの乏しい相があります。体形的には痩せ型の人に多いものですが、女性より男性に多いという特徴があります。この場合、耳朶があるかないかは重要で、耳朶がある場合は若い頃からの努力・奮闘の結果として名誉運や経済力も得られる人の相となります。耳朶が乏しいと身内や外部からの助けが得られにくく、自らが道を切り開いていかないと、社会的な成功は難しいものです。一時的に収入が多くても、それを晩年まで残すことはできません。女性の場合は過敏な体質を持っていて、勝気な性質を持っているようです。 |
| 耳全体、或いは耳の一部が変形・奇形となっている人は少なくありません。多くの占術書には記されていないことですが、本人と先祖、或いは本人と心霊世界との関わりが反映されることもあります。特に耳の外輪上部の弧の形状が変形した場合、先祖や心霊世界と本人との間に、何らかの問題が潜んでいるケースが多いものです。そして、それが解決されなければ本人の日常に奇々怪々な現象が巻き起こって来るものです。この部分を試合中に噛み切られた格闘家は、その後悲惨な人生を歩みました。ある宗教に入信して以降、耳が変形した男性は孤立無援となっています。 |
| 耳全体が縦に長く、顔面全体の比率を破って極端に長く見えるのは、若い人には少なく高齢の男女に多く見受けられます。比較的形が整っていて長い耳は長寿相の一つで、高齢に至っても頭脳が衰えず、人徳があって周囲の若い人たちから慕われているケースが多いものです。何事に対しても慎重で、思慮深く、齢をとっても学びの精神を失わないことも特徴です。若くして極端に長い耳を持っている場合は、多少神経質ですが、血統の良い家系に生まれている場合が多く、親に逆らわない人生を歩んでいきます。性格的には気品があって信仰心の強い傾向も見受けられます。 |
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