【富士額】 |
富士山のような山形の形となっているのが「富士額」です。 日本などアジアの女性達に多く見掛ける相ですが、最近はやや減ってきているように感じられます。この額の場合、額そのものはあまり広くないもので、額中央部が出ている「オデコ」の人に見ることはほとんどありません。眉の上の眉骨も盛り上がっていないのが普通です。江戸時代などの女性の結い上げる髪形には似合うもので、和服姿にも適しています。ホルモンの関係もあって、男性で富士額の人はめったに見掛けないものですが、時折、それに近い人はいます。富士額には二種類あって、その一つは「きれいで発達した富士額」で、オデコではないが全体的に高く張り出した印象を与える額で、女優の吉永小百合さんなど、その典型と云えます。目上を敬い、古典的な分野で引き立てられて成功を招く人の相です。情感も豊かで、古風でひたむきな愛情観、家庭観を持っています。もう一つは「狭くて上部が後退している富士額」で、押しつぶされたような印象を与えるものです。幼少期の家庭環境に恵まれなかった人の相で、社会的にも発展しがたく、結婚後は親子間の問題で苦労しなければならない相です。男性で富士額に近い人は、依存型の人生観を持っていて、愛情面でも、相手にリードされていく恋愛関係となりやすいものです。 |
【角額】 |
額が四角張って抜け上がっているのが角額です。「男額」と呼ばれることもあります。その名のごとく、男性に多く女性には稀な相ですが、最近は女性でも角額の人が多くなって来ました。この額は男性に多く見かけるものですが、10代前半から角額であることは少なく、20代半ばくらいになって見事な角額に整って来るのが普通です。この額にも二種類あって、その一つは額面積が広く、額全体に凹凸が少なく、整った印象の角額で欧米男性に多く見かける額の相です。若くして才能を発揮し、社会的な名誉や地位を与えられ、10代後半とか、20代初期のころから活躍し始めるのが特徴です。頭脳は優秀ですが、やや理論に傾き、現実を忘れがちな傾向が見受けられ、情緒・情感に乏しい欠点があります。もう一つは額面積が狭く、詰まったような印象を与え、多少額に凹凸の見受けられる角額で、眉骨の発達しているケースが多いものです。これは有能なビジネスマンに多く見受けられる額で、実務と商才とにたけていることが特徴です。彼らは何よりも実際に役立つ知識を求め、実用性のないものには興味や関心を示さないものです。精神的なものに対しての理解力はやや乏しく、頑固で保守的な生活方針を持っているのも特徴です。行動力や実行力があり、特に組織の中で才能と手腕を発揮していくことになります。 |
【丸額】 |
額がアーチ形に抜け上がっているのが丸額です。男性よりも女性に多く、それも若いときからと云うのではなく、徐々に丸額へと変わっていくのが特徴です。完全に丸額と化すのは男女とも30代後半以降となってからが一般的です。女性の場合は愛嬌があって、機転が利くので、多くの人たちから愛され、親しまれていることが多いものです。接客業やサービス業の経営者、芸道の指導者などにしばしば見受けられます。何も知らない若い人たちを一から育てあげていく指導力に恵まれているものです。ただし、夫運の良くない生まれでもあって、早くに死別するとか、金銭問題で苦労を掛けられるとか、異性問題で悩まされるとかしやすい特徴が見受けられます。男性の場合も社交性があって、若い人たちの面倒見が良い人として慕われているケースが多いものですが、気が弱くて、執念深く、嫉妬深いといった性質上の弱点を隠し持っているようです。 |
【M字形額】 |
額全体が大きく抜け上がって「M」文字形となるのは、女性に見ることは稀で、男性には時折見受けられます。若くして額がM字形となっているのは、遺伝的な傾向も多少あるが、特にこの形で「仙骨」と呼ばれる額部分(眉頭から眉尻までを三等分して、その後方3分の1部分から垂直に髪際へ仮想線を延ばし、その中間点付近)が高く隆起している場合、昔から独創力や直観力の優れた天才的とも云える芸術家や宗教家や哲学者を多数輩出しているものです。作曲家ベートーベンの額はその典型です。ビジネスの世界であっても、次々と新しい企画を打ち出したり、アイディアを商品化したりして、世間をリードし、注目される存在となります。きわめて稀ではありますが、女性にこの額を見る場合は天才肌の芸術家として早くから騒がれるとか、霊感少女として特異な能力を発揮するとかしがちなものですが、家庭的にはさびしく、愛情面では満たされない人生を歩むようになります。また同じM字形でも、中年以降に髪が抜け上がって出来た形で、仙骨付近が全く発達していない場合は、ただ単に人の善い性質と、他人のために奔走する人生とを物語っている相であって、才能的に秀でているとか、見るべき素質は存在していないものです。 |
【乱れ額】 |
左右対称となっていない額や、変形に抜け上がっている額のことを「乱れ額」と呼びます。これには事実上三つのタイプが見受けられます。まず「A」のように、左右どちらかの「霊墓」(額の生え際中央からやや逸れた部分)付近だけが異様に抜け上がって特殊な額の形となっているのは、先祖とか霊墓とかに対して特殊な能力を持つ人の相であって、生まれながら神仏との関連が深く、霊視能力や、交霊能力や、心霊治療などで特殊能力を授かり、活用している人たちばかりです。 「B」のように、本来は角額であったのに、その中心部分だけが丸く抜け上がっているのは、前世や過去世と深く関わっていて、幼い頃の環境・人生体験等から、信仰心強く、先祖供養に対しての特別な素質・能力を授けられている人が多いようです。「C」のように、形としては特殊と云うようなことはなく、ただ単に左右の抜け上がり方が大きく異なるだけなのであるが、時折見かける相です。これは片親と縁が薄い人の相で、運命的な変化が激しく、紆余曲折の人生を歩んでいくことも特徴と云えます。ただ何事に対しても勘は鋭く、宗教心に富んでいる場合が多いようです。一説に、不誠実で異性を裏切るような行動をとりやすい人の相、と指摘するテキストもあるようですが、少なくとも私は今日まで、そのような実例を知りません。 |