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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「運命」という点で興味深い伊集院静氏の生涯


作家の伊集院静氏が亡くなった。わたしがこの人に注目したのは、彼がまだ作家デビューしたての頃、たまたまその履歴に作詞家としてのペンネームがあり、その名の方で想い出す作品があり「おもしろい詞を書く人だな」と興味を持っていた。だから最初は“小説”ではなくて“作詞”の方だった。その詞は、いま考えると「ギンギラギンにさりげなく」だったのかもしれないが、わたしの記憶ではもっと別な女性新人歌手の歌だったような気がする。とにかく「伊達歩=伊集院静」という名前で記憶に残った。その時点では、だから“女性”なのか“男性”なのか判らなかった。その後はどちらかと言えば小説の「伊集院静」の方で売れ出すようになった。ただわたし自身は雑誌に掲載された小説も読んだが、正直、たいした作品とも思わなかった。それから少し経って「伊集院静が夏目雅子と結婚」という週刊誌記事を目にした。わたしは初めてそこで、この人物が男性で、しかもたいした風采でもないのに、人気絶頂の夏目雅子氏と結婚するのだということを知った。写真を視ても、特別、女性受けするような印象はない。どうして、こういう“冴えない感じの作詞家&小説家”を夫に選ぶのだろうと不思議な気がした。ところが、この結婚生活は長く続かず、間もなくして夏目雅子氏は亡くなった。ただ、その頃から、さまざまなところで「伊集院静」の名を眼にした。本格的に“売れ”始めたのだ。作詞家としても「愚か者」の大ヒットがあった。やがて小説の方でも直木賞を受賞し、さらに女優の篠ひろ子氏と再婚をする。この時にも、わたしは大いに驚いた。一度ならず二度までも“美人女優を妻にする”その人物的魅力が、その当時はわからなかった。やがて、何かの雑誌で彼のエッセイを読むようになって、彼が相当に破天荒な人生を歩んできたことを知った。特に、その借金人生に驚いた。文字通り、昔型のギャンブラーだった。出版社に前借をして博打を打つなど、なかなかのツワモノだった。それから彼の“人生相談コーナー”のようなものが週刊誌に掲載され、ときどき読んだ。ここでもユニークな彼らしい人生論が展開されていた。とにかく令和には相応しくない“昭和の香り”の色濃くする人物だった。亡くなったのは昨日だが、実は運命学的には前回倒れた時の方が、その死亡時期として相応しい。医学は、もしかしたら、無理に生き永らえさせたのかもしれない。
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