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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


決して脅しではない「人を呪わば穴二つ」の諺


ことわざの中には、すぐ納得がいくものもあるが、なかなか納得のいかないものもある。例えば「人を呪わば穴二つ」ということわざも、なかなか即座には同意しがたい。人は誰でも、理不尽な眼に逢った時など、その相手を“呪いたくなる”のが普通だからだ。そうしないと自分の心がいつまでも晴れない。もっとも、じゃ“呪った”ら晴れるのかと言えば、そうではないのだが……。とにかく人間は誰でも、その奥深いところで本当は“呪いたい”気持ちを秘めて暮らしていたりするものだ。アメリカのサウスカロライナ州に暮らしていた60歳の男が5月7日の早朝、自宅裏庭で死亡しているのが発見された。裏庭の土を掘り起こし、そこに何かを埋めて、ようやく一息ついた…そんな雰囲気が残っているかのような状況だった。近隣の住民が倒れていた男に声を掛けたが、返答がないために110番通報された。警察による状況見分の結果、男は自宅庭の土を掘り起こし何かを埋めて、再び元通りに整地してスコップを土に立て、ホッとしていた時、心臓麻痺に襲われたようだった。そこで、その土に埋めた“何か”とは何なのか、一応、掘り起こしてみた。その結果、そこにはゴミ袋に袋詰めにされた女性の遺体が出て来たのだ。近隣の証言などから、その女性は男と一緒に暮らしていたパトリシア・デント氏(65歳)であることが判明。彼女は男に首を絞められて殺害されたことまで判明した。こうして、あらゆる状況からみて、心臓麻痺で死亡した男は、自分が殺害した女性の遺体をゴミ袋に詰め、裏庭に穴を掘って埋めてしまおうとし、それがほぼ完成した時点で、まるで死者から“呪われた”ような形で死亡した。男が同居女性に暴行している現場を近隣の住民たちは何度も視ていた。ことわざである「人を呪わば穴二つ」は、こうして実際に一つの穴だけを掘っていた男に、ほんとうは「穴」が二つ必要であったことを、暗黙のうちに教えようとしていた。
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