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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「恩を返す」仕事から解放⁉される東山紀之氏


わたしは日本人の“良い慣習”の一つとして「恩義」というものがあると思う。もちろん他の国の人達だって“それに近いもの”はあると思うが、日本人ほど明確ではない。もっとも、近年はこの慣習を“良い”とは捉えない人達も多いのかもしれないが……。東山紀之氏が旧ジャニーズ事務所である「スマイルアップ社」の社長を9月30日付で退任するらしい。10月からは、これまで一緒に“後処理業務”を果たしてきた弁護士の一人が社長に就任するらしい。これによって、実質的には旧ジャニーズ事務所は完全に解体されたことになる。「ジャニーズ事務所」の創立者であったジャニー喜多川氏に子供はいない。一時期、日本の芸能界で絶大な勢力と化していたジャニーズ所属のタレントたちは、結局、誰ひとりも後を継ぐことにならなかったので、実質的に“後処理”の形で後を引き継いだ東山氏の退任で「ジャニーズ事務所」そのものが完全に“消え去った”ということになる。時折、こういう企業が存在する。企業の生命は、基本的にその創業者が、子孫運というか、後継者運というか、そういうものを「持っているかどうか」に掛かっている。どんなに絶大な勢力を発揮しても、子孫運や後継者運がなければ、その企業は一代で消えていく。そういうものなのだ。或る意味では、東山氏は、ジャニー喜多川氏の“負の遺産”を引き継ぎ、その後処理を果たしてきた。そのまま旧事務所の社長に留まることも出来たのだろうが、彼はそれを択ばなかった。おそらく、彼が社長を引き継いだのは「恩義」があるからなんのだ。だれだって、自分の後輩だった者たちから「性加害の請求」などを受けたくはない。けれども誰かがやらなければならない。喜多川氏に対して恩義を感じていた東山氏は「恩義を果たす」という意識で引き受けたに違いない。それまで報道番組なども担当して来た彼は「批判の矢面に立たなければならない」という意識が強かったのではないだろうか。そして三年間、社長業として、ジャニー喜多川氏からの“性加害申告者”は1047名に達し、その内、578名に対し支払いを行った。実質業務は弁護士の方達が担当したのだろうが、矢面に立ったのは彼なのだ。世間的にも、国際的にも、大いなる批判を浴びた事件であるだけに、さまざまな中傷も受けたに違いない。それでも、彼は逃げなかった。そして、やっと恩義を果たし、その十字架から解放される。彼を称えるものは少ないが、誰よりもジャニー喜多川氏が草葉の陰から深く謝罪、謝礼しているに違いない。
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