何の問題でもそうなのだが、自分に直接かかわらないことに関しては“外野席の人間たち”は勝手なことを言うものである。特に、昨今のように「動物愛護」の精神が異常に発達した人達が多くなってきた社会において、動物を殺害する行為は非人道的と非難されることが多い。けれども、同じ動物でも人間に対して直接被害を与える動物は“排除すべき存在”ということになる。これは自然界を生きていくものとしては当たり前の行為で、そうやって人類は進化し、今日まで生き延びてきたのだ。8月14日に札幌市は市内の住宅街に出没するヒグマ一頭を射殺した。ところが、それに対して「射殺などせず、山に還すべきだ」という意見が多数寄せられたそうだ。しかも、その意見を投稿してきた人のほとんどは道外の人たちであった。ところが、クマの出没はその後も続々と報告されていて、昨日朝には市内の地下鉄駅から200m付近で道路を横断する姿が目撃されている。「山」とか「畑」とかではなくて、住宅街の真っただ中である。ややオーバーに言えば、クマは山から下り始めているのだ。先日放映されたニュース番組では車に乗ったカメラマンの5メートルほど前の住宅の周囲をゆっくり嗅ぎまわってから、何台もの車の横を通り抜けて道路を横断し、草藪へと降りて行った。さすがに車に向かって突進はしないが、もし何頭も一緒であれば車内部の人間を目掛けて襲ってくる可能性もないではない。この地域は、元々は農家の畑だったところで、それが廃業となり、住宅地として建物が立ち並び、道路が整備された。したがって、動物愛護の人達から見れば、人間の居住区が山側に進出し過ぎたことが、クマが住宅地までやってくるように変わった根本原因だということになる。それはそうなのかもしれないが、だからと言って住宅街に頻繁に出没するクマを放ってはおけない。大体、その地域の人達は怖くて外出もままならなくなってきている。その付近には現在数十頭のクマが生息していると推定されている。これらが徐々に住宅街に向かうのは時間の問題なのだ。実は何度か「生け捕り」も試みられたのだが、上手くいかなかった。長期的な対策はいろいろあるかもしれないが、小中学校が近い地域にも出没し始めている以上、早急に駆除していく以外方法はない。そうでなければ、必ず犠牲者が出る。犠牲者が出てからでは遅いのだ。アイヌ民族の「神」でもあったヒグマを射殺するのは、本当は避けたい。けれども一刻の余裕もない状態で「山に還せ」と言っても無理な話で、いくら道外から“反対意見”が寄せられたとしても、まずは「人命優先」で取り組むのが“筋”というものであろう。「クマ」は「くまモン」と違って、言葉が通じないのだ。
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