九州北部の“豪雨被害”の記憶が冷めやらない中、今度は秋田県が集中豪雨で“狙い撃ち”されている。近年になって、昔に比べて34%も集中豪雨が増えているというデータが公表されたばかりである。明らかに、日本の気象は変わったのだ。古来から続いてきた“温帯としての気象”という見方を変えた方が良い時期に来ている。もし、通常の温帯地域であれば、集中豪雨は台風の季節だけを用心すれば良いのだが、もう誰もそんな風に信じない。近年は台風などなくたって“集中豪雨”は起こる。しかも、一部地域に特化して起こる。季節など関係なく起こる。丁度、東南アジアの地域で、晴れていた空が急に曇って一気に土砂降りとなり、緊急避難が必要になり、それが何時間かすると嘘のような晴天に変わる…あの感覚。近年の日本の気象は、そこまで極端ではないが、かつての“温暖な気候”ではないことだけは明らかだ。どちらかというと、一部の地域、一定の時間だけの“狙い撃ち”で、その数日前までは“予測できないゲリラ豪雨”に変わってきたのが特徴だ。元々が日本の国土は温暖な気候に育まれる形で生成されてきた。したがって、山とか川とかも、温暖地域用に出来上がっている。集落や住宅も、そういう気候の中で組み立てられてきた。したがって街や村自体も“集中豪雨”を想定していない。謂わば、予期せぬゲリラ豪雨には“お手上げ”なのだ。おそらく、今後も、こういう形で“狙い撃ち”が続き、そのたびに悲劇が繰り返される。国を挙げての早急な対策と緊急マップが必要なのだ。どちらかというと、大都市には“それなりの準備”があるが、地方都市や辺鄙な集落にはそれがない。地域によって、各種防災に対する“備え”にも「格差」の広がりを感じる。実は、この“格差”は防災の問題だけではない。各年代間の生活そのものにも、ここに来て“格差”は拡大するばかりである。日本の全部が“中流家庭”と捉えられたのは、もう昔の話でしかない。小さな子供たちの“格差”、社会人になっての“格差”、老人になっての“格差”、それぞれがどんどん広がっている。それなのに表面上は「豊かな国」「先進国」「教養ある国民」という幻想が蔓延しつつある。もう、みんなが“同じ方向”を向きながら生活する、という1960~70年代は「過去」の一場面でしかない。
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