世の中には「単純な人」と「複雑な人」とがいる。これは別に“知能指数”とは関係がない。性格の問題なのだ。例えばアメリカのトランプ大統領は誰が観ても“単純な人”だ。或る意味では大変にわかりやすい。それに対してロシアのプーチン大統領は“複雑な人”だ。ハッキリとした言動で一見単純に見えるが、その心の中で何を考えているのか、本当のところ誰にもわからない。別に政治の話をするのではない。元レースクイーンでタレントの加藤紗里氏が今年9月に“結婚していた”ことを公表した。その加藤紗里氏に対してのインタビュー記事を読んで、とても面白いと思った。結婚した相手は36歳の不動産会社の経営者で、どこに惹かれたかの質問に対しても正直に「欲しいものを買ってくれたから」と答えている。さまざまな質問に一度も“性格”とか“外見”とか“愛情”とかの言葉は出ず、もっぱら“何々を買ってくれた”の一点張りである。けれども彼女は「みんなから、おまえなんか絶対に結婚できない」と言われたけど結婚できた…と嬉しそうである。そうして、自分でも頑張って“主婦が出来る”ところを見せたいと張り切っている。この人は多分とても正直なのだ。そして単純なのだ。「お金がすべて」だと公言している。お相手が誰か知らないが、多分、事業家としては相当な手腕の持ち主に違いない。そして、多分、同じように単純な人なのに違いない。この「単純である」ということは、決して悪いことではない。特に「幸運をつかむ」という観点から言えば、とても重要なことなのだ。この女性の目的は一つしかなかった。「金持ちと結婚する」という一つで、それに“条件”を付けなかった。ここが重要なのだ。ほとんどの女性は、それだけに絞り切らない。例えば「人柄が良い」とか「女性に優しい」とか「外見が良い」とか「頭が良い」とか…必ず、何か条件を付けようとする。そうすると、目的が絞りにくくなって、その目的に到達しにくくなる。一つだけの単純な目的に絞ると、その願望は達成されやすくなるのだ。人間というのは欲張りで、なかなか“一つだけ”に絞り込めない。若くして成功する人の多くは、単純に一つのことだけをやってきた人達である。けれども結果的に、それが成功を招き、その後の人生を生きやすくする。適度にいろいろな能力があり、性格的にも「多くの人から好かれたい」「誰からも嫌われたくない」という人ほど、目的がころころ変わる。どんなに頑張ったって、世の中全員から好かれるはずがないのだ。嫌われたって良い。これだけは言いたいし、これだけは得たいし、これだけはやり遂げたい。そういう“わかりやすい人”の方が、神様は“幸運”を与えやすいと言っている。
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