世界で唯一女性の“自動車運転”を禁じていたサウジアラビアが、6月24日午前0時から正式にそれが解禁された。ここで多くの人は、サウジアラビアがこれまでずっと女性の自動車運転を禁じていたと考えがちだが、それは違う。実は1990年代までサウジアラビアでも女性で運転している人たちはいたのだ。その後になって“禁止法が制定”されたのである。歴史というのは面白いもので、時々こういう“時代逆行”のようなことが平然と行われる。自動車運転以外にも“おかしな法律”はたくさんあって、例えば親族男性以外とは口を利いてはならないとか、外出時は常にヒジャブで身体のラインを隠さなければならないとか、結婚して子供を持たないと“社会人”として認めないとか、もしも“婚外交渉”が発覚した場合は、男性は「ムチ打ち刑」でお終いなのに、女性は「断首刑(又は銃殺刑)」になるとか、もう滅茶苦茶なのだ。サルマン皇太子の“英断”だと女性達は悦んでいるが、実際にはまだまだ平等などではなく、自動車教習所の料金は“男性の5倍”もするそうだ。それでも「お金持ちの国」サウジアラビアでは今後600万人の女性達が免許を申請する予定だとのことである。さらに免許は与えたのだが、女性達の顔には「アバヤ」と呼ばれる“顔見せ禁止”の衣裳が被られたままである。もういい加減、こういう衣裳も止めた方が良いし、男女が“口を利けない制度”も廃止した方が良い。今回の法改正にしても、実は一部の法学者たちからは“強い反対”が出ていて、全ての人達が認めているわけでもない。この“頑固さ”をどう表現すれば良いのか。極めて稀に日本女性でアラブの国に嫁いでゆく女性たちがいる。果たして彼女たちは、がんじがらめのイスラム教の元で“わが祖国”の「ユルさ」を涙を流しながら懐かしむことはないのだろうか。
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