フィリピンにはキリスト教徒が多いので“死刑制度”は廃止されている。ところが、そのフィリピンで新政権を握ったドゥテルテ大統領は「麻薬撲滅」を掲げて国民の支持を得た。就任前から“過激な言動”で内外から注目されていたが、言葉だけではなかった。就任からわずか1か月で402人もの“麻薬関係者”を射殺しているのだ。問答無用というやつである。確かに300年位前までなら、そういう“やり方”は“拍手喝さい”を浴びたことだろう。けれども、現代は国内的にも国際的にも種々“人権団体”が存在している。いや、存在していなかったとしても、“問答無用のやり方”は北朝鮮など一部の“独裁国家”と同様である。あまりにも“手荒い”。もっとも、フィリピンのような国家では、そういうやり方でなければ“本当の取り締まり”はできないのかもしれない。実際、関係者57万人が怖くなって自ら当局に“出頭した”というから、その効果てきめんにも驚き、その数の多さにも仰天する。ただし、こういう政権は往々にして“貢物”に弱い。最初は良いのだが“徐々に腐敗”していくケースが多い。一部機関と癒着して、いつのまにかドロドロになってしまう場合が多いものなのだ。それは元々の政権基盤が弱いからである。“過激な正義の使者”は、ひと段落してくると、いつの間にか“悪徳大王”に変身していく事例がごまんとある。したがって、本当は5年程度でバトンタッチすれば“汚れずに済む”のだが、実際には難しい。ただ、その前に1か月で402人の“生命”を問答無用で射殺する行為が、“正義”の名のもとに許されてしまうことは、やはり問題だ。すべて“容疑者”の段階で射殺しているので、もしかしたら“罪なき人”が含まれているかもしれない。人の“命”を“十パひとからげ”で論ずることが、果たして“本当の正義”といえるかどうか、“キリストの神”は許されるのであろうか。
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