昨日の報道では235人とされていたエジプト・モスク襲撃による犠牲者は、一夜明けたら305人にまで増えていた。「イスラム国」傘下の武装組織と言われる「ISシナイ州」による襲撃テロで、5台の車に分乗した25~30名の武装集団が、金曜礼拝に集まっていた“スーフィズム”信徒を狙っての犯行と思われる。目撃者によると、彼らはISの“黒い旗”を振りながら突入していったらしい。ここで日本人としてわからないのは、どうしてイスラム教徒であるISメンバーが同じイスラム教徒である“スーフィズム信徒”たちを襲うのか、という点である。実はIS等の“イスラム原理主義者”たちからすると、“神との合一”を最終目的とする信仰体系は許されざる行為で、イスラムにおける“神”は人間と合一するような“安っぽい神”ではない、ということになる。まあ、しかし、仮にそうだとしても、一方で“神と合一になる”ことを信じて“苦行”や“禁欲”に励んでいる信徒がいても、“同じ神様”を崇めているのだから良いではないか、と日本人なら言いたくなる。ところがISは“スーフィズム信徒”たちを許さない。まるで“神”の身代わりでもあるかのような態度で、殺しにやって来るのだ。百歩譲って“偶像崇拝”のキリスト教徒を裁くのは認めるとしても、“同じ神様”に信仰を捧げるイスラム教徒まで犠牲にするのでは、もはや“聖戦”の名に値しないものであり、単なる“狂気集団”以外の何物でもない。その思想を推し進めていくと、結局は“イスラム原理主義”以外の信徒たちはすべてが「敵」ということになり、全世界の“穏やかなイスラム教徒たち”をも敵対視しなければならなくなる。果たして、“イスラムの神”は本当に原理主義者たちが信じているように、その死後において、神から“天国”に住まうことを許されるのであろうか、それとも多くの殺人者たちと同様の“地獄世界”が待っているのであろうか。それとも、実際には“神”と呼べども、叫べども、何らの反応もない寂しく荒れ果てた“球形の荒野”が広がっているのであろうか。
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