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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「桜島の噴火」で想い出す「灰色の街」の世界


既に6月5日から始まっていたらしいが、一時間近くにも及ぶ連続噴火とその後の降灰とは6月7日の朝に起こった。ただ地元の人たちにとっては、もう慣れっこになっていることでもあるらしく、あまり驚いている様子もない。鹿児島市内では、そういう時のための準備や対策が既に用意されているようで、ロードスイーパーと呼ぶ災害対策車が各所に手配されていた。それでも風向きがもたらす降灰によって覆われた景色は「灰色の街」としか表現のしようがない。同じような光景を見たのは、いや体験したのは、いつだっただろう。あれは20代だったと思う……文字通り、街は灰色に染まっていった。わたしは当時室蘭市に居たので、普段から製鉄工場の方角からもたらされる煤煙には慣れていた。晴れていても、その方角の部分の空だけはいつも汚れていた。ところが、そういう活気ある暗煙の空ではなく、なんとも気味が悪い得体のしれない“灰色に満ちた空”が静かに押し寄せて来る……そういう感じの降灰の降り方だった。だから、丁度、真冬に雪がしんしんと積もっていくような感じで“灰が降って来る”のだ。あれば経験したものでなければ分からない不気味さだった。人間というのは、本能的にそれが“怖いもの”かどうか察する力がある。なぜなのか理由は判らないのだが、それは“怖いもの”だと本能が教えていた。だから、わたしは急いで帰宅し、それが収まるのを待った。確かあれは有珠山の噴火だったように思う。室蘭市は有珠山から遠く離れているのだが、それでも降灰が襲ってきた。もっと昔に、子供の頃に、もっと大きな噴火を窓から眺めた記憶があるのだが、それが、いつ、どこの噴火だったか、今となっては想い出すことが出来ない。地震も一度だけ、ものすごく大きな地震を十代の時に体験している。ほんとうに大きな地震に出くわすと、家の中に留まって居られるものではない。人は本能的に外へと飛び出す。そして地面近くにへばりつくような姿勢を取る。立ってなど居られないからだ。そういう体験を何回もするうち、人はだんだん「大自然には勝てない」と思うようになる。所詮、人間は大自然になど勝てない。生きている地球に、文字通り這いつくばって生きていくしかないのだ。
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