誰しも或る程度の年齢になると、自分の“生活”や“環境”の中で“一定の安定”が得られることが多くなります。自分自身の「運命」というものに対して、“茫漠とした実態”を感じ取るようになります。自分の「大まかな将来」までもが何となく予測され、その「敷かれてあるレール」の先に“嘆き”や“焦り”や“戸惑い”を感じる人も出てきます。そういう時、突如「新たな将来」の可能性が見えてくることがあります。但し、その可能性に賭けるには、これまでのレールから新たなレールに切り替えなければなりません。新たなレールは「新たな将来」の可能性を見せてはくれますが、いったん切り替えたら「今の生活」に戻ることは出来ず、保障されている「大まかな将来」に達することはできません。多くの人は、ここで躊躇し、踏みとどまって「新たな可能性」を見送るのです。実は人間の「運命」の“茫漠とした実態”は、よほど“踏み間違わない限り”極端に大きく変化することはないのです。コンピュータと同じように“初期化”しようとする本能を持っているので、多くの場合、一時的に窮地に陥っても別な形で“復活できる”のが普通です。
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