中国の格言に「人間万事塞翁が馬」というのがある。何が「幸運」に繋がり、何が「不幸」を呼ぶか、そう簡単には解からないものだという教えだ。実際、そう思われるような現象が、数多くの“歴史的な事実”にもある。現在、オーストラリアでは森林火災が続いている。アメリカやカナダからも応援部隊が来ているのだが、一向に鎮火する気配を見せない。当然のことながら、家屋を喪失した人も多い。ニューサウスウェールズ州では、今のところ、1995戸が家屋全焼、816戸が半焼の状態であるという。その一つの全焼した家で妻と二人暮らしていた男性がいる。当然のことながら、彼は住居を失った。しかも、その住居には“火災保険”を掛けていなかった。絶望の中で、彼に見知らぬところから電話が掛かってきた。ゴールデン・キャスケットという会社からで、いきなり「おめでとうございます」と言われたのだ。いぶかしる彼に電話の主は“宝くじ会社”の者だと告げる。つまり、彼は「100万豪州ドル=7540万円」の宝くじを当てていたのだ。彼は、お金を受け取りに来た時にも「これは幻覚じゃないか」と言葉に出した。妻の「ラッキーナンバー」を当てはめて購入した宝くじが当たったのだ。奇跡のようなお話である。さて、その一方で、幸運から不運に向かってしまうケースもある。テヘランを離陸直後に墜落したウクライナ行きの旅客機には乗員乗客176名が乗っていた。イランからの“誤射”によって撃墜されてしまったのではないか、という“噂”がある旅客機だ。全員亡くなったが、そのうちの多くがカナダ人だった。どうしてかというと、正月休みを故国や親戚で過ごし、居住地であるカナダに戻ろうとしている人達が多かったからだ。この犠牲者の中に、2020年1月1日にイランで結婚式を掲げたアルバータ大学の院生カップルがいた。彼らは正月に故国イランで挙式し、カナダに戻ろうとしていたのだ。自然災害にしろ、人的災難にしろ、人生には“一瞬の巡り会わせ”が大きな不幸を呼ぶこともあり、予期せぬ幸運を手にすることもある。そして、そういうことが起きた時、誰もが「運命」という言葉を口にする。
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