「札幌雪まつり」が閉幕したが、今年の観光客が昨年より70万人も減少したことが報告された。私もちょっとだけ“雪まつり”を見たが、確かに今年は歩きやすかった。いつもは逆方向に動くのは難しいのだが、今回は容易だったからだ。今年の“雪まつり”の場合、あまりにもタイミング悪く“コロナウイルス問題”が拡散して旅行そのものに規制が掛かった。中国をはじめとする海外からの観光客が一挙に減ったのは致し方がない。実は、観光業にとって問題なのは、中国からの観光客だけではない。昨年から韓国からの観光客も急速に減少している。加えて最近は、香港からの観光客も急速に減少している。それは香港自体の問題からで、政治情勢が不安定で海外旅行に出ていられる状況ではないからだ。したがって、今年の場合、中国本土、韓国、香港の“三つ(?)の国”からの観光客が急減しているのだ。特に北海道を好む周辺国の人々には何故か“お金持ち”が多い。お小遣いもたくさん使ってくれるのだが、その人たちが来ない。これは何も札幌だけの問題ではない。同じように春節客を当て込んでいた京都や浅草でも同様の“嘆き”が広がっている。つまり観光地にとっては、これら周辺国からの訪日客にはリピーターも多いので、他の観光客よりも痛手が大きいのだ。しかも、どの地域の問題も“短期間で終結する”気配が見えない。「日本」という国はヨーロッパなどと違って島国で、文字通り「外国」=「海外」なので、ついでに立ち寄る地域ではない。今年の場合は、クルーズ船の立ち寄りにも規制が掛かりそうで、オリンピックまでには何とか元に戻らせないと、せっかく開催したのに海外からのお客さんがいなかった…などという悲劇が起こらないとも限らない。本来であれば、海外からの観光客を呼ぶのに持って来いの“IR事業”が妙な下心を起こす政治家がいたことで“金まみれの事業”のようなイメージがついてしまった。せっかく好調に変わりつつあった“日本の観光業”の未来に「黄色信号」が点滅し始めている。
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