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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


アイドルが「別人」となり再び「別人」となる


わたしは仕事柄「点」でその人を観ることはせず「線」でその人を観てしまう癖がついている。「点」とは“その時”一瞬の人物評価のことだ。「線」とは“何年”とか時に“何十年”とか、人生の一部分を“切り取るような形”で、その人を評価することだ。例えば70年代前半「天地真理」という歌手がデビューし、一気に“時代の寵児”となった。透明な歌声で「水色の恋」を歌い、昭和における「白雪姫」として絶大な人気を誇った。ただ、わたしはこの人の声質があまり長続きしないような気がした。事実、何曲目かを出した時、その声から透明感が失われ、くぐもった濁声に近い雰囲気に変った。もしかすると、あまりに多忙で、声を休ませるひまがなかったからかもしれない。その声の変化のせいなのか、人気も急降下していった。やがて、二十年以上経ってからだと思うが“懐かしの歌声”的な番組に彼女が出た。その、あまりの変わりように、誰もが息をのんだ。清楚な雰囲気はまるでなくなって、体型的にもストレス太りのような印象を受けた。確か歌も歌ったが、普段歌っていないせいもあって、プロ歌手の歌声ではなくなっていた。それ以降、彼女は表舞台では視掛けなくなった。ところが、近年になって、彼女は再び、ささやかながらタレント活動を始めているようだ。既に74歳になっている“プライベート写真”を公開している。そこには、年齢は確かに行ったが、かつての「白雪姫」の雰囲気が戻った「天地真理」の姿があった。これは、どういうことなのだろう。確か“懐かしの歌声”的な番組の時には、結婚もして仕事も変わり、生きることに“精一杯な印象”があった。だから昔の「天地真理」ではなくなっていた。けれども、現在の彼女には何かしら“心の余裕”が感じられる。それに、過去との決別も感じられる。わたしは詳しい事情など知らないし、履歴的なものも知らないが、おそらく、彼女は何らかの理由から“初期の天地真理”に戻ったのだ。もちろん年齢は隠しようもないのだが、その心身というか、境遇というか、何かが元に戻ったのだ。人は、だから、いったん失ったものでも、状況や境遇が変われば、元の姿そのままとは言えなくても、その雰囲気だけは“元の雰囲気”に戻っていくことが出来る。恵まれた状態から転落し、別人のまま終わるとは限らないのだ。
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