世の中には“珍事”というものが時折起こる。過日行われた岡山県のマラソン大会“小学生の部”で、この大会に参加していた263人中262人がコースを間違い、ただ一人、最後で走っていた児童だけが、係員が自転車で並走していたため、正しいコースを外れることなく完走した。他の児童たちは、途中で左折すべきところを直進したため全員“失格”で、ビリで走った児童だけが“優勝する”珍事となった。実は人生にも“似たような運命”となる場合がある。子供時代は不遇で周りからもイジメられていた児童が、大人になって徐々に実力を発揮し、やがて中年すぎくらいから“スポットライト”を浴び、誰よりも活躍しているケースがある。同じように学生時代、お世辞時も可愛いとは無縁だった少女が、就職後も恋愛とは無縁だった女性なのに、お見合いで善い人と結婚をし、子供達にも恵まれ、仲間の誰よりも幸せな家庭を築いている場合もある。周りよりも遅いとか、周りより劣っていても、希望を捨ててはいけないし、焦ってはいけないのだ。よく運命学では「大器晩成型」という言葉を使う。若い頃は恵まれていなくても、中年期以降になって花開いていく人生を指す。そういう人たちの特徴として、決して器用ではないが、真面目でコツコツと努力し、忍耐強く、一途なものだ。あまりにもひたすら努力し続けるので、神様が根負けして“幸運”を授けてくれるのかもしれない。同じように“不運続き”でも、これが良いと聴けばこれに飛びつき、あれが良いと聴けばあれに飛びつく、というような“目先の流行”や“世間の動向”に振り回されている人に神様はあまり味方しない。同じ努力でも、一歩、一歩、手応えを感じながら“亀のごとく”に歩みを進めていく人に、神は微笑むのだ。
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