人の“生き方”はさまざまである。それに「犯罪」さえ起こさなければ、基本的には“どう生きよう”が、その人の自由である。だから占術家・細木数子氏の“生き方”を、ここでどうこう言う気はない。ただ一応、同じ道(?)を歩む者の一人として、いろいろと考えさせられる。彼女の人生を振り返ると、大体43歳くらいまでは別な“仕事分野”を歩んでいる。つまり、水商売とか、芸能関係とかである。彼女の場合、十代後半から“水商売の世界”に入っているから、そういう点では元々“商売っ気”の多い人物と言えよう。20歳にして早くも“銀座”に自分の店をオープンさせているのだから、なかなかの“やりて”であったことは間違いがない。元々父親が商売人であり、その血を受け継いでいたと言えるかもしれない。彼女が本格的に「占い」に的を絞ったのは44歳くらいからのようだ。ただ、その間、銀座などで20年以上にわたって店や芸能事務所を経営し、さまざまな人間模様を見てきた。その観察眼が“占い師”となって役立ったことは間違いない。したがって、彼女の占いは「六星占術」ということになっているが、実際には“水商売人”としての洞察力に基づく判断が大きいのだと思われる。彼女の本が売れ出したのは80年代後半からで「ノストラダムスの大予言」ブームなどがあって、世間的に“怖い占い”が受け入れられやすい時代にあった。彼女には「大殺界」という“切り札”があった。こうして彼女は墓石店と組んで“高額なお墓”を売った。水商売で財を築いた彼女が、通常の“占い料金”収入だけで満足するはずがなかった。そこで当然“墓石トラブル”の訴訟問題も相次いで出てきたが、これが結果的には彼女の知名度を高めた。やがて、彼女はTVで“看板番組”を持つようになり、一時的には「視聴率の女王」とさえ呼ばれた。けれども、さまざまなところからトラブルやクレームが相次いでいた。2008年にすべての番組を降板し、表舞台から消えた。現在は、自らを“あと数年の命”と予言して、その「終活」活動(?)に入っているらしい。あちこちに豪邸を立て、さらには70億の巨費を使って寺院まで設立中のようだ。ただ、不思議とそういう話を聞いても“羨ましい”とは思わない。逆に何となく或る種の“虚しさ”を感じる。確かに“立派な御殿”はあちこちに建てた。けれども、おそらく彼女が亡くなったなら、それとほぼ同時に「六星占術」も、この世から消えていくことだろう。あのブームはいったい何だったのか。彼女は、彼女が“生きた証”を来る人も乏しいであろう寺院に込めている。
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