厳密にいうと『日本を殺す』というタイトルはあまりに“過激だ”ということで、若干控えめに『昇る太陽を殺す』というタイトルに改められて出版されたのだという。今、アメリカで秘かにベストセラーとなっている本だ。アメリカにとって「昇る太陽」とは「日本国」を暗示するらしい。実はこの本はシリーズ化されている「殺し本」最新の一冊で、これまでに歴史上のリンカーンやケネディやイエス・キリストなどを扱っている。つまり実際に“殺された人物”たちだ。その中に「日本国」が加わったということになる。著者はTV番組でも活躍する著名ジャーナリストのビル・オアライリー氏だ。この本の中身は、日本とアメリカの太平洋戦争を扱ったもので“真珠湾攻撃”に始まり、“広島・長崎の原爆投下”に終わる。だから『日本を殺す』というタイトルなのだ。ジャーナリストの書いた本だけに、現在のアメリカ人による世論調査も加えられていて「原爆投下が正しかったか」という問いに対して、正しいが56%、正しくないが34%、わからないが10%、もし、日本が降伏しなかったなら、次の標的が「東京」であったことも明かされている。原爆投下を決断したのはトルーマン大統領である。そのトルーマンと実際に原爆を広島に投下した機長とがホワイトハウスで面会し、大統領が機長に対し「君は原爆投下が正しかったと思うか」と問いかけたという。機長は「私は命令に従って実行しただけです」と答えたという。実際、そんな答えは最初から分かっている。それでも訊かずにいられなかった大統領を、われわれはどう受け止めれば良いのだろう。そして今、売れているこの本を、日本人としてどう評価すればよいのだろう。
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