6月2日[退位特別法案]が衆院を通過した。天皇陛下が実際には十年も前から切望していた「譲位」が、これでやっと形になりそうである。本当は「生前退位」ではなく「譲位」なのだが、とにかく十年も前から「譲る形」を取りたかった天皇陛下としては、これでやっと責務が果たせたと思っていることだろう。「譲位」という形を取ることで、今後も天皇家は存続できる。万一、高齢のまま「天皇」を継続し、認知症的な状態のまま“各種書類にサイン”させられ、万が一、皇室が存続できなくなったら「譲位」を求めなかった自分の過失責任になる。早めに「天皇」を変えていくことで、古代から伝わる各種神事も正しく継承していくことが出来る。“象徴天皇”として国内や海外をくまなく巡ることもできる。高齢になってから、毎日のスケジュールをこなすのは体力的にも限界なのだ。天皇を囲む懇談会のような席で「譲位」の意向を何度言ってもらちが明かないから、昨年、国民に向けての“TV放映”という形で訴えた。実際、天皇家に生れることは、その出生の時点で“逃れられない十字架”を背負うことで、好き勝手な人生を歩むことは出来ない。「憲法で縛られた人生」となるのだ。私は幼い3~4歳の頃「天皇陛下になりたい」とバカなことを言って周囲を戸惑わせたらしい。今では天皇家に生まれなくて良かったと心底思うが、何より天皇と同じ82歳まで仕事をし続けるなんて“ご勘弁を…”という心境である。まあ、あと十年余りは仕事が出来るかもしれないが、それから先までも働いていかなければならないのは、ちょっと辛い。第一、頭脳も体力も気力もへなへなになっている。今でさえ、やっとなのだから…そうだ、誰かに「波木星龍」を譲ろう、誰か10億円くらいで買ってくれないだろうか…何?、10円でも買わない。そうか、その判断は正しい。
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