座間市の「9遺体発覚事件」で改めて注目されているのが全国の「いのちの電話」である。自殺予防のために、ボランティアの方々が“悩み相談”に応じているのだ。けれども最近は、相談者が増えてどこの自治体も対応が追い付かない状態が続いている。全国で“最多”の年間28000件を記録する「埼玉いのちの電話」では、5台の電話機がフル稼働、24時間体制でボランティア約300人が対応している。それでも追いつかないのだ。世界的に見ても、日本は“自殺者の多い国”で、あまり褒められたことではない。「いのちの電話」は全国に52箇所、6500人ものボランティアを抱えているが、まだまだ相談員不足である。もっとも、掛かってくる電話の全てが「自殺」に直結するような状態かというと、それは怪しい。「人生相談」として掛かってくる場合も多いからだ。或いは一人の“寂しさ”を紛らわせたいとか、誰かに“癒されたい”とか言う気持ちから利用している場合も多いようだ。それらは、ちょっと電話すべきところが違うような気もするが、ともかく一人平均33分ほど会話するのが普通らしい。携帯電話やスマホの普及は、現代人から“向き合う会話”を奪った。表面上、多くの人とつながっていても、本当の自分は誰も知らない。誰にも見せない。誰にも話さない。繋がり過ぎているので、直ぐに“拡散してしまう”のが怖いからだ。だから、関係の無い「いのちの電話」の相談員に話すのだ。そうすれば、誰にも、心の中は見られない。けれども、それで“悩み”や“苦しみ”や“不安”が消えるのかというと、そうは言えない。一時的には消えても、それはあくまで一時的だ。なぜなら本当に身近な人達は、誰一人、自分の“心の中”を知らないからだ。つまり、身近な人達には“つくろっている自分”を演じ続けることになる。だから、本当には解かってもらえないし、何も気付いてもらえない。だから、一時的には消えた“苦しみ”や“不安”が再び繰り返されるのだ。したがって「いのちの電話」は、確かに重要なのだが、永遠の解決策ではない。未来に“希望”を持つためには「ひかり」が必要である。人は、未来に“光”を見出す時、決して死のうとはしない。「闇」の中で、かすかに見えてくる一条の光は、正に“命綱としての光”として、大切なものなのだ。そういう意味では、絶望する人にこそ運命学的な観点からの“長期的な未来”と、確かな“幸運への足取り”を差し示してあげることが大切なのかもしれない。
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