グーグルは16日、傘下に抱える動画投稿サイト「ユーチューブ」に対し“新規約”を設けると発表した。これまでは動画の“再生回数”を基準として評価していたのだが、今後は“チャンネル登録者数”と“年間視聴時間”に切り替えることにしたのだ。つまり、これまで1万回以上の再生回数さえあれば可能としていた企業広告を、登録者数が1000人以上、年間視聴時間が4000時間に達しなければ与えない方針を打ち出した。同時に、差別表現など倫理的に問題が多い動画は掲載不可とする。これまで、しばしば問題となってきた“犯罪に近い動画”などは排除する方針を打ち出したのだ。社会的にも問題となった「自殺の樹海動画」などが、精査するきっかけとなったようだ。日本でも小学生のなりたい職業の一つとして「ユーチューバー」が急浮上するなど、考えなければならない時期に来ていただけに、今回の規制はタイミング的にも絶妙と言える。実は、これによって多くの「ユーチューバー」が消えていく。大体、くだらない動画が多すぎるのだから“怪しいユーチューバー”は消えた方が良い。これまでは“十数秒ほどの動画”でも、1万回の再生回数あれば権利獲得となった企業広告も、年間4000時間のクリアとなるとほぼ不可能で、企業広告を目指すのであれば或る程度の時間を要するものを作製しなければならない。考えてみれば当然の話で、本来は“投稿動画”で金銭を得ようという発想自体がやましいのだ。今は誰もが“動画”を撮影できる時代となった。その結果として、多くの人の“興味を呼ぶ”作品が繰り返し視聴される。それは時に“プロの作品”を凌駕する。けれども、人の興味は移ろいやすいし、人気というのも変化しやすい。何の世界であれ“素人”でも簡単に“時代の寵児”となることは可能だが、簡単に“寵児”となった人は、簡単に“忘れられる存在”となってしまう可能性もあることに気付いていなければならない。
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