時々、ニュースそのものよりも、その“関連事項”の方に惹きつけられることがある。札幌駅付近で10月10日に逮捕された成田順容疑者の「覚せい剤事件」もそうだ。実は彼は2008年4月から、ずっと“薬物捜査”を担当してきた人物である。現在は札幌中央署の薬物銃器対策課の巡査部長職にある。その彼が、東区の路上で“覚せい剤所持容疑”で逮捕されたのだ。勤務時間外であり、彼の自宅は北区の別方向にある。つまり、彼は仕事が終わって自宅へとは向かわず、駅近くをぶらついていたのだが、その時、おそらくは顔見知りの捜査官から声をかけられた。そして、その場で覚せい剤が発見され、即逮捕となったということだ。なぜ、仕事時間外なのに声をかけたのかと言えば、完全に“マークしていた”からである。道警は、別の事件を捜査する過程で成田順容疑者の疑惑が浮上し、マークし続けていたことを明らかにしている。だが、それがどんな事件で、どういう疑惑だったのか、どういう過程から「成田順」が浮かんだのか、明らかにしていない。ただ覚せい剤所持に関しては、本人が容疑を認めていることを明かしている。う~ん「ミイラ取りがミイラになる」と言う諺は、正にこういう時のためにあるような…。因みに、この諺に出て来る「ミイラ」の語源は、ミイラづくりの過程で使用する防腐剤の樹脂「ミルラ」から来ているらしい。昔、エジプトのミイラは「万能薬」としてヨーロッパで大人気だった。その一部は何んと日本まで輸入されていた。諺がそのまま関係しているかは疑問だが、ヨーロッパでは“万能薬のミイラ”は高く売れるとして、ピラミッド探索を行う“不届きな輩”が絶えない時代があった。同じように、成田容疑者は“高く売れる薬”として覚せい剤に手を出したのだろうか。それとも、知らず知らずのうちに、潜入捜査の過程で接触した暴力団の“餌食”になっていったのだろうか。その過程は、そのまま映画に出来そうで怖い。
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