何でもそうだが「本場」と呼ばれるところの“壁”は厚い。けれども、その本場に挑んでいくことは、その道のプロとして自信があれば“必然”かもしれない。ということで、日本を代表する「カレーハウスCoCo壱番屋」が“カレーの本場”インドに進出することが発表された。既にニューデリーに三井物産子会社と共同で合弁会社を立ち上げ、早ければ2020年にも“1号店”をオープンさせる予定らしい。10年後には30店展開を目指しているらしい。果たして、日本のカレーは「本場」インドで受け入れてもらえるのだろうか。ただ既にアジア圏を中心にして、12の国と地域に180点もの店を出しているらしいので、そういう意味では一応“勝算あり”なのだろう。もし30年後にインド国内で500店舗を達成できていたなら、大成功だと言える。今や日本の“食文化”は、世界に通用することが証明されている。最近は「日本酒」も“世界ブランド”に変わりつつある。今から50年前、誰が日本の「カレー」がインドに進出し、日本の「日本酒」が欧米に進出すると思ったことだろう。“本場”はいつまでも“本場”ではない。最近では日本の「盆栽」とか「錦鯉」とか「忍術」とかも、世界から“熱い視線”が向けられている。そして、いつの間にか日本人ではなくて、外国人が“指導する側”に回っていることもある。そのうち、日本人よりも外国人の方が“日本文化の師匠”として多くなってしまうのかもしれない。そういう中で、取り残されている“分野”の一つに「占い」がある。日本人は、どういうものか、こと占いに関しては“本場もの”を高く評価し、時に“妄信”している。だから日本古来からの占い、日本特有の発展をした占い、或いは日本人が“創始した占い”というものを総じて認めない。いや、認めたとしても“海外産”よりも評価が低い。未だに“欧米の翻訳もの”、或いは“中国の古典的教科書”を崇拝する。その翻訳者が、まるで“その占術の創始者”であるかのような扱い方をする。単なる翻訳者でしかないのに…。そして、わが日本から“本場”に売り込んでいこうとする“占い”を見出していないような気がするのだ。もっとも、売り込むためには“それなりの土壌”を持っていなければならない。日本で受け入れられるというか、マスコミがこぞって取り上げるような占いには、残念ながら“土壌”もへったくれもない。要するに“子供だましの占い”しか取り上げないから、そして芸能人が同じプロダクションの占い師を後押しするという“奇妙な構図”で成り立っているから、世界に“打って出れるような占い”が育たないのだ。近年、台湾や香港では「紫微斗数」の“本場もの出版”が盛んである。けれども、ほとんどの日本人は、その実情を知らない。ありがたがって、どの本であれ信じ切って読んでいる“検証能力乏しき”研究者ばかりなのだ。
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