オランダから興味深いニュースが発信された。かつてオランダの極右政党として知られる「自由党」の党首ヘルト・ウイルダースの右腕と言われた人物が、イスラム教に改宗していたことを公表したのだ。ウイルダース氏率いる自由党は「オランダにおけるイスラム教徒の撲滅」を全面に掲げた政党で、当時下院議員だったヨラム・ファンクラーフェレン氏は、7年にわたって“反イスラム攻撃”の先頭に立って活動していた人物だった。それが一転、反イスラムの本を執筆しているうちに考えが変わり、書いていた内容そのものも微妙に変化し、とうとう昨年10月、イスラム教に改宗してしまったというのだ。当然のことながら、“反イスラム”の本を書くためには、或る程度“イスラム教”そのものについて勉強しなければならない。おそらく彼は、イスラム教の経典、その原理や発祥、歴史的変遷、宗派の違い、キリスト教との比較など、さまざまな書物を読み漁ったに違いない。そうしているうちに、いつの間にか自分がこれまで信じてきた宗教よりもイスラム教の方が“正しく深い教え”のように感じられてきたに違いない。このような心理的変化は、実は宗教や思想の研究過程では良くあることなのだ。俗に「ミイラ取りがミイラになる」とも言われる現象だが、日本にもキリスト教の宣教師として来日しながら、仏教僧として亡くなった人もいる。そう言えば「エジプト考古学の父」と呼ばれたペトリ―氏も、元々は“大ピラミッドの神秘学説”を実証する目的でエジプトへと赴いたのだった。ところが実際に計測していくうちに“神秘学説”で唱えられていた“神が創った”とか“聖書予言である”とかいう仮説には“嘘がある”ことに気付いてしまったのだった。ところで現在、私がもっとも気に入っている海外ドラマ「オスマン帝国外伝」は、文字通りイスラム教最大の勢力となったオスマン帝国が栄華を極めた時代の物語だが、結局、世界の歴史は“宗教同士の勢力争い”が関わっているケースが圧倒的に多い。考えてみれば日本も、明治天皇下で勢力や領土を拡大していた時代は「神国・日本」であり、今のような「無宗教・日本」ではなかった。近年のように近隣諸国との関係性が微妙になって来ると、どっちが良いのかが判らなくなってくる。2月4日には“七福神アイドル”「モカマカリ」がデビューした。神々の末裔だという女性達のグループだ。きっと平和な日本には“七福神”が降臨するに違いない。
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