最近、動物が人間を襲う事件が世界的に多い。オーストラリアでは、公園内のカンガルーが人間を攻撃、怪我を負わせる事件が頻発している。人間が自分たちの好物を持ってくるのが当たり前となってしまい、単なる見物客には突進して襲うようになったのだ。南アフリカでは、自然の生態を記録映画として撮影していた映画監督が、飼われているキリンに対しレンズを向けていたところ、銃で撃たれるとでも勘違いしたのか、キリンが自らの頭部を監督目掛けて振り下ろした。不意を食らった監督は転倒し、そのまま帰らぬ人となった。ウガンダの国立公園ではヒョウが女性自然保護間の息子を連れ去った。その後、3歳になる息子は無残な姿で発見された。アメリカでは大型犬であるスタフォードシャーテリアを飼っていた母子が、自宅の中でペットの大型犬に食い殺されていた。インド北部の村では野犬集団が暗躍し、子供達ばかりが犠牲となっている。先週だけでも5~12歳の子供たちが次々と襲われ、6人が犠牲となった。警察や役所では、これまで24匹を捕獲したが、まだまだ安心できない。以前存在した屠殺場がなくなって、野犬のエサが乏しくなったことが原因ではないか、といわれている。それにしても、野生で育っている動物は、家庭内で育つペットとは根本的に異なる。本能的に“弱肉強食の世界”なのだ。敵意があるとかないなど関係ないのだ。自分より弱いものは襲っていくのが野性の習性なのだ。われわれはどうしても、ペットの感覚で動物を見てしまう。特に、今の子供たちは、野生の犬や猫を知らないで育っている子たちも多い。だから無防衛で近づいていく。TVで見てきた動物は、みんな大人しく、襲って来ることがない。動物園でも図鑑でも、みんな大人しそうだ。それはペットたちが、野性の中で身を守って生きていくことを本能的に学んでいないからだ。けれども、そういう動物達でも「野性の証明」は血統として残っている。だから、何かのきっかけで、野性が牙を剥き人間たちを襲うのだ。幼い頃の子供たちに、可愛らしいペットばかりを見せるのではなく、野生の動物たちの「弱肉強食の世界」もきちんと見せて、生きるということの意味を教えることも重要なのだ。
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