シンガポールの東南アジア研究所というところが、興味深い調査結果をこのほど公表した。ASEANに加盟する10ヵ国の識者たち約1000名に対してアンケート調査を行い、政策やビジネスなどの識者たちが国際平和や安全保障などで、どの国が“正しい行動をとる”と見たてているか、浮き彫りにした注目すべき最新の調査だ。その結果、日本が「正しい行動をとる国」として65.9%もの得票を集めた。アメリカは27.3%であり、中国は19.6%だった。知識人における国際世論は「日本」という国が、世界を“正しい方向へ導く国”だと認識していることになる。その証拠に、日本への信頼度という点でも、カンボジアからは87.5%、フィリピンからは82.7%と、その信頼度は群を抜いている。一方、不信感を抱く国という調査では、中国が51.5%、アメリカが50.6%で激しく拮抗している。つまり両方共に“信頼できない”という共通認識を持たれている国なのだ。因みに日本への不信感は17.0%でもっとも低い。但し、東南アジア地域における経済的に“影響力の強い国”という観方では、中国が73.3%で群を抜いていて、アメリカは7.9%、日本は6.2%とその存在感がない。つまり、中国によるアジア圏の経済的な影響力は強いが、だからといって中国を信用しているわけではなく、最終的には「日本について行けば間違いない」という風な認識を多くの識者たちは抱いているということだ。日本人は確かに、中国人やアメリカ人のように“金でものを言わせる”というような国ではない。その点ではどうして中国人とアメリカ人が共通しているのか、不思議な気さえする。アメリカにはキリスト教的な“ヒューマニズム”があり、中国には儒教や道教などの“古典的な経典”が沢山あったはずなのだ。今や、その両方の“学ぶべき部分”をゆるく身に付けたのが日本人なのかもしれない。一時期、日本人は何でもかんでも“猿真似する国”だと揶揄されていた時代がある。けれども進化した今の日本は、もはや“猿真似の国”なのではない。むしろ世界に“良いもの”だけを発信していく。そして、人類が進むべき正しい道へと“リードしていく国”へ生まれ変わりつつあるのだ。
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