「池上彰氏」と言えば、今や“報道特番”では引っ張りだこの人気ジャーナリストである。その名を冠した番組も多くなった。常に独自の切り口から、あらゆる事象を“解説”してくれるが、その内容も大変に解かりやすい。ところがである。最近、一部の知識人たちから“問題”が指摘されている。この人が仕切る番組では、それがどのような分野のことであろうと「池上彰の観方&捉え方」というものが解説される。その際に、もしかしたら“他の人の研究とか考え方”が含まれている可能性があるというのだ。つまり、誰かがその事柄に対して“独自の観方&捉え方”を持っていた場合、その人物に対して「池上彰の意見として紹介したい」と番組スタッフが交渉してくるというのだ。それを自らのSNSで指摘したのは元官僚で大学教授でもある八幡和郎氏である。彼によると、池上彰氏の番組スタッフからの取材で、時間をかけて自分の意見を述べたところ「番組の方針で、実際の番組の中では“池上さんの意見”という形で紹介したいが、ご了解して頂けるでしょうか」と訊いてきたというのだ。八幡氏は拒否し「このような人物がジャーナリストのような顔をしているのはおかしい」と疑問を投げかけている。そうしたところ、健康サポートで著名な宮下研一氏、ジャーナリストの有本香氏、大学教授の高橋洋一氏などが、いずれも同じような経験があったと同調している。指摘を受けた池上彰氏自身は「そのようなことは、あってはならないことであるし、私は行っていない」と戸惑っている。報道特番というのは、確かに“一人だけ”で成り立つような番組ではない。それに関わる大勢のスタッフがいる。そして、おそらく「池上彰」の“名を冠した番組”においては、彼の意見を前面に押し出している、ことは事実である。例えば番組内で専門家を呼んでいても、その専門家にはあまりしゃべらせずに、池上氏が基本的な解説をする。これは事実で、最近は特に“一人ですべてを受け持っている”ような違和感が生まれてきている。実は報道特番とは異なるが、私は以前、或る“占いコンテンツ”のスタッフから「波木先生の観方や判断の仕方について、島田秀平先生のコンテンツ内で“島田秀平の観方”として扱いたいのですが、ご了承して頂けますか」という依頼を受けたことがある。その変わりに、“波木星龍のコンテンツ”に導くような仕掛けを加える…というのだ。もちろん、私は丁重にお断りをした。どうして私が「島田秀平氏」の“詐欺的手段”の手助けをしなければいけないのか、あの時は訊かなかったが、島田氏本人は果たして“それ”を知っていたのだろうか。
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