大昔、大ヒットした歌に「小指の想い出」という曲がある。「♪あなたが噛んだ小指がいたい…」の歌詞で始まる歌だ。これは歌詞の内容から言って、女性の小指が男性に噛まれたのだ。ところが、その歌詞の内容からすると、噛まれた小指にそっと唇を押し当てて、女性は昨日の夜のことを密かに想い、誰にも言えないまま痛みをこらえている…という筋立てになっている。そんな“不思議な内容”なのだが、大ヒットとなった。昨日、これとほぼ同じ内容の出来事が兵庫県生田市であった。ところが、ほぼ同じ内容なのに、その男女は“二人とも”捕まったのである。女性の方は「傷害容疑」で男性の方は「暴行容疑」でだ。どういうことなのかというと、会社員である48歳の女性と自営業である56歳の男性とは恋愛関係にあり同棲している。だから、歌詞内容とほぼ同じなのだ。ちょっと違うのは「昨日の夜」二人は出掛けようとしていた。その時に、男は女の服装にケチをつけた。せっかく出掛けるのにふさわしい“露出の多い華やかな服装”を要求したのだ。ところが女は、何を着ようと私の自由でしょ…と部屋着のまま外出しようとした。ここから二人の“言い争い”が始まった。二人とも性格的には勝気で気が短い。こうして男の方が先に手を出した。女の頭を殴ったのだ。これに逆上して女の方は男の小指を思い切り噛んだ。この二人の攻防が外に筒抜けとなっていた。たまたま通行人が大声に気付き110番通報した。慌てて生田署の警察官が駆け付ける。事情を聴くと、双方ともに手を出していた。男の方には小指が傷つき、歯形がハッキリ残っている。こうして、女の方は「傷害容疑」男の方は「暴行容疑」となって、双方ともに逮捕されたのである。う~ん、この二人、年齢からすると「小指の想い出」は聴いたことがあるかもしれないが、その内容までは知らなかったような気がする。本来の「小指の想い出」は愛情が深まっていく様子を歌ったものだが、今回の「小指の想い出」は“別れの序曲”になりそうで、それだけがちょっと心配。
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