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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


記録だけでなく「ドラマを創る」のも名選手⁉


阪神の才木浩人投手は昨日、対巨人戦で“11連勝”という大記録に挑んでいた。そして8回まで巨人打線を0点に封じ、このままいけば63年前に権藤博投手が達成した“対巨人戦11連勝”という大記録に並ぶはずだった。そして九回二死まで、いや「あと1球」というところまで……完封は目の前まで来ていたのだ。当然、阪神ファンは「あと1球」大歓声コールだ。ところが、ここでドラマが起こる。巨人のダルベック選手が逆転2ランを放ったのだ。打たれた瞬間、才木投手はその場に座り込み、その後、約30秒間そのまま動けなくなった。九回二死まで完封ペースで来ていながら、最後の最後で打たれてしまう……という場面は時折出現する。野球というスポーツは、1球で“勝ち”が“負け”に変ることがある競技で、そこに勝負としての醍醐味もある。それに、チームのエースが振り返り、マウンド上でガックリ膝を落とすこともたまにある。けれども、この日は日本で63年前に打ち建てられた“大記録”が掛かっていた。当然、9回まで完封ペースで投げて来て、本人の中でも“記録”は意識する。あと一球コールが背後から響けば、なおのこと意識する。けれども63年間、誰にも打ち破られて来なかった記録というのは、それなりの“重み”をもっている。記録は、特にスポーツ競技の記録は、次々と“破られていく”のが普通だが、そうではない記録もある。そして、ずっと打ち破られて来なかった記録は、多くの場合、日本の球界を代表するかつての名選手が持っている。その記録に並ぶことは、その名選手に並ぶことなのだ。もしかすると才木投手は、まだ権藤投手に及ばないところがあるのかもしれない。わたしは権藤投手の現役時代をあまり知らないが、ただ野球解説者になってからの権藤氏の解説はときどき聴くことがあった。そうして、この人の何とも言いようのない人間味のある声や物言いに、深く興味を持っていたものだ。そうなのだ、もしかすると、まだ27歳の才木投手にはまだまだ“人としての権藤博”に足らない部分を持っているのかもしれない。それを持ち合わせるようになった時、彼はただ単に“並ぶ”だけではなくて“抜いていく存在”になっていくに違いない。
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