ネットのニュースでは「とらのあな」の“美人妻”が話題になっている…と報道されていたが、それよりも私は同人誌や漫画関連グッズを販売している「とらのあな」が、年商「230億円」の大企業に成長していることを知って驚嘆した。同人誌と言えば、アマチュアやセミプロの人達が作成している雑誌で「とらのあな」が扱っているのは、その9割以上が漫画関係だと思われる。しかも、通常の書店には並ばない雑誌群だ。先に行われていた“コミケ”でもそうだったが、今や完全に“商業化”している漫画同人誌は、アマチュアであっても人気ある作品とか雑誌とかだと、プロの作品として書店販売されるものよりもはるかに人気があり、売れ行きが良い。そうでなければ年商230億円に達するはずがない。通常、雑誌というのは、雑誌社があり、そこから依頼された作家が執筆し、それを雑誌社の方で編集・制作・印刷して、流通の日販などを通じて書店へと運ばれ販売される。ところが、同人誌の場合、作家(漫画家)は雑誌社を兼ねている。つまり、自分が書きたいと思ったものを、何の規制もなく描き上げ、自ら編集し、印刷所に依頼・製作する。つまり何でも一人、或いは数人の同人が行う。したがって、最初の製作費は自分持ちだが、売り上げの何割かを「とらのあな」側に与えれば、プロ漫画家の何倍もの比率で収益を手にする。そういう意味では、アマチュアとかセミプロとかいうものの実質的には独立した出版社・雑誌社と何ら変わらない。現在は、そういう人たち向けの印刷会社も存在していて、少部数からの印刷・製本を取り扱っている。今は昔と違い高性能のパソコンやソフトさえあれば、アマチュアもプロも変わらない作品が仕上がる。芸術関連は、押しなべてアマチュアとプロの境界線があいまいになっている。現在「とらのあな」の店舗は、全国に23店もあるらしい。マニアックな人達は東京まで出向かなくても、同人誌を実際に店舗で見て購入するかどうか決断できる。プロ作家として大型書店の片隅に埋もれるよりも、マニアックな店舗で“オタク”たちに知れ渡る方が、商売として早いといえる。但し一番儲かるのは、それを扱っている「とらのあな」で、急成長しすぎると、まさしく「おとしあな」が待っているような気がしてならない。
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