時々、“死から蘇る人”というのが、いる。彼も、その一人だ。その事件は今年1月7日朝、スペイン北部の刑務所内で起こった。一人の受刑者が意識不明の状態で発見されたのだ。彼は自殺のため、大量の薬物を飲んでいた。すぐに医師たちが派遣され、3人の医師が一致して、もはや「死亡」していることを確認した。遺体は袋詰めにされ、遺体安置所に移送され、規則に従って“司法解剖”を行うことになった。担当医師が遺体に対して解剖のための印を何ヶ所かに付けていた。その時、瞼が開いたのだ。ゴンサロ・モントーヤ受刑者が蘇ったのだ。金属廃材を窃盗した罪で服役していた29歳の青年だ。こうして、間一髪のところで彼は生還した。もちろん、彼は“死のう”として薬を飲んだ。自らの犯した“罪”を“死”で償おうとしたのだ。金属廃材の窃盗であるから、数年間“服役”すれば、刑務所は出られる。それなのに自殺しようとしたのは、自分にも未来にも絶望していたからだ。金にため窃盗してしまった自分自身が許せなくもなっていた。けれども、“運命の神”は彼を死なせなかった。彼の“償い”が、自らの命を絶つことではないことを、教えようとしていた。それだからこそ、29歳の受刑者は蘇ったのだ。よく「死んでお詫びする」という言葉を使うことがある。けれども、それは“愚かな発想”であることを、この事例は見事に示している。本当に“お詫び”をしたいなら、死んでからでは駄目なのだ。むしろ今後の“人生”の中で、その“生き方”を通じて“お詫び”を果たしていくことが大切なのだ。もちろん、それは“金属廃材”相当分の金額を返すというような単純なことではない。貧しい若者たちが、自分と同じような“過ち”を起こさないような仕事や運動に携わるとか、既に犯してしまった若者を自分が矯正させていくとか、生活支援していくとか…彼にしかできない“何か”が必ずあるはずなのだ。それを探し出し、見つけて、生涯を過ごすべきであることを、神は無言のうちに伝えようとしている。
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