歌手でタレントの森口博子氏が「母の日」にステーキを平らげる81歳の母親とのツーショットを掲げて「元気が何より」と綴っている。そうか、もう彼女も“81歳の母親”を持つような年齢となったのか。そのことに驚く。デビュー当時からあまり変わらない印象だが、彼女自身も49歳になっていた。もはや「アイドル」という年齢ではない。不思議なことに、特別なヒット曲があるわけでもなく、特別な個性とか特徴があるでもなく、どこにでもいる“明るい印象のタレントさん”だが、それでも未だに時々“忘れない程度”にTVなどにも出て来る。この“忘れない程度”に出て来るというのが大切で、一時的にTVや雑誌に出まくる人よりも、歌手やタレントとしての寿命は長いことが通例だ。彼女の場合、一時的には「バラドル」タレント的な要素もあったが、それも大人気になったわけでもなく、どの分野でも“そこそこ”だった。けれども、長期的にトータルで見ると、そういう歌手やタレントの方が長寿命で極端に落ちぶれない。誰もが知っている歌がない、というのは歌手として寂しいかもしれないが、大方の人は知っている歌手・タレントであることは誇りを持って良い。そうして、いつか彼女の母親のような高齢となっても、いつまでも若々しい姿のままで歌い続けていられたなら、最高の“歌手人生”なのではないだろうか。恋愛や結婚の“噂”がないことも、この人の特徴で、そういう点ではあけっぴろげのように見えて案外“秘めたままの部分”を残しているようにも見える。けれどもスキャンダルがなかったことが、もしかすると“或る種の清潔感”として保たれ、幅広い年代に受け入れられた要因かもしれない。或いは同じような“生き方”をしてきた同世代の女性達が、応援し続けている結果なのかもしれない。いずれにしても「華やかにヒットを飛ばす」ことだけが芸能界の“生き方”ではないことを、無意識に教えようとしている。
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