久しぶりに、本当に久しぶりに作家・中村うさぎ氏のエッセイが掲載されているものを読んだ。最初は誰が書いたのか分からずに読んだ。現在の旦那さんとの関係について書いたもので、なかなか興味深い内容だった。それで書いたのは誰だろう…と思ったら、中村うさぎ氏であった。改めてナルホドと思い納得したが、確か病気だと聴いた気がしていたので、現在でもこのように元気で、その“生き方”を発信し続けていたことをうれしく思った。ただ彼女ももう61歳。難病に関してはエッセイでは軽く触れているだけだったが、実際には歩くことも出来ないらしい。けれども、そういう状態であっても作家は書くことが出来る。そういう点では“良い職業”を得ていたものだ。エッセーの中では外国人の年下ゲイ男性との結婚生活について書かれていた。「留学ビザ」で来日して「ワーキングビザ」に切り替えられず、日本に居られなくなった男性のために“一肌脱ぐ形”で結婚した経緯が書かれていた。形的には「偽装結婚」だが、実際に20年間も一緒にいると“夫婦としての情愛”が宿って、彼女が“車いす生活”となった現在でも仲良く暮らし続けているらしい。彼女は、そのことを不思議がっているが、別に不思議でも何でもない。日本の旧家では昭和初期まで“見ず知らずの男性”と結婚させられる時代が長く続いていた。お見合いと言えば、通常、一度は顔合わせをするものだが、“顔合わせ”さえもなしに嫁いでいく、というケースも珍しくはなかった。それでも、何十年間も連れ添う夫婦が70年ほど前まではたくさんいたのだ。そういう慣習は“昔の日本”だけなのかと言えばそうではない。現在でもインドなどでは普通に行われている。インド以外でもイスラム教戒律の強い地域などでは平然と続けられている。そういう点では、特別、珍しいことでもない。男女間というのは、何年も交際したから“結婚しても上手くいく”という保証はない。出逢ったことを「運命」として受け入れると、よほど相性が悪くない限りは“一緒に生活”できる。恋愛結婚でも、それを「運命」として受け入れていない場合はちょっとしたことで離婚してしまう。アメリカ人に離婚が多いのは“運命を受け入れる考え方”が乏しいからではないだろうか。現代のように“情報量”が多過ぎると、反って選択肢が多過ぎるために迷い、最終的に何が何だか分からなくなってしまう。「出逢う」ということは、それ自体が“運命”なのだ。中村うさぎ氏の場合は、まったくの“他人”を配偶者にしたのではなく、ゲイではあったが“友人・飲み仲間”を配偶者とした。したがって性生活を除けば、上手く暮らしていける素地は最初からあったのだ。さいわいというべきか、優しい夫は“病気”になった彼女を見捨てることなく、寄り添い続けている。
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