何かが違う。そんな“違和感”をおぼえるのは私だけなのだろうか。全国各地の“同性カップル”が2月14日に国を相手取り“損害賠償”を求めて一斉提訴するというのだ。つまり、同性婚を認めないのは憲法が保障する「婚姻の自由」や「法の下の平等」に反するというのだ。そこで東京・大阪・札幌・名古屋の4地域で13組のカップルが、国を相手として「損害賠償請求の訴訟」を同時に起こすらしい。“同性カップル”が結婚できるよう法律を整備することを国が怠ってきたというのだ。時代の変化に合わせて法律を整備していくべきことは誰もが賛同する。そして、ここ十年余り「LGBT(大枠で言えば同性愛者)」に対して、社会的な認知や理解が高まっていることも誰もが認めるだろう。けれども、だから「損害賠償請求だ」というのは“過剰な被害者意識”のように私には感じる。なぜなら、あくまで世間一般の認知度としては、ここ十年余りのことであり、それも“戸惑いながらの認知や理解”というのが正しい見解だと思うのだ。では、それまでの世間は、彼らに対してどう理解していたのかと言えば、ひとことで言えば「変態」だった。この表現は現在でも間違っているわけではない。これは決して“蔑称”ではなく、生物学的にも“正しい表現”だと私は思うのだ。オスがオス、メスがメスと“組み合わさる”のは生態系から言って不自然だからだ。ただ古代エジプトの時代から“広義の同性愛”は存在していた。つまり大昔からあった。目新しいものではない。そして、そういう人達に対し、多くの民族や時代はあいまいに容認してきた。だが「変態」を許さない国や宗教もある。現代でもイスラム教では「同性愛」は厳禁であり、罪人として扱われる。つまり、“LGBTの結婚”を公的に容認するかどうかは「自由」や「平等」だけで判断すべき問題とは異なるのだ。しかも「自由」や「平等」というのは、或る程度の「責任」の元に与えられる。2015年11月、東京の渋谷区では「区」が独自に“同性愛カップル”に対し「パートナーシップ」の交付を開始した。その第一号として著名なカップルが“その証明書”を交付され、マスコミでも大きく報道された。ところが2017年12月、このカップルは「区」に証明書を返還したのだ。つまり、両名ともウエディングドレス姿で結婚式を挙げ、結婚の証明書も手にしたのに、二人の“愛の誓い”は2年で泡と消えたのだ。そういうことも踏まえたうえで、“過剰な被害者意識”と“過剰な権利要求”だけが強まれば、やがて味方だった人たちを敵に回すのではないだろうか。
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