欧米人の中には時々とんでもないことを思いつき、そして実行してしまう“危ない冒険野郎”がいる。12月5日に「動画サイト」に投稿され、現在は削除された「ピラミッド頂上で全裸になってSEX」動画がある。映像が合成などでなければ、彼らはギザの“クフ王ピラミッド”に深夜、多くの警備員らの眼を盗んで登頂を果たし、そこで念願の“ハダカ動画”を撮影し、そして頂上の上で朝まで過ごしていたことになる。俗に「大ピラミッド」とも呼ばれるクフ王ピラミッドは、エジプトにあるピラミッドの中でも最大の大きさをほこる。底辺の横幅は230mで、その高さは建造時が147mであった。ただ中世期以降は“キャップストーン”の石が剥ぎ取られ、頂上部を欠いているので、実際には139mの高さであり、その頂上部には6m四方の石畳が広がっている。実は20世紀前半くらいまではピラミッドの登頂が許されていた。ところが毎年事故が多発し、多数の人が転落死するので禁止となったのだ。ましてや深夜、灯りもつけず登るなど“狂気の沙汰”である。登ったとされる男女は二人とも長身やせ型で、そういう意味で言えば登頂には適している。投稿者はデンマーク人カップルらしく「多くの警備員に見つかることを怖れながら登った」とのコメントも付け加えられている。実際、もし途中で発見されれば、撃ち殺される可能性さえあった。しかも、彼らは現在も安全ではない。エジプトのアナニ考古相は「遺跡の冒涜」として、徹底的に追及・処罰する旨を公表しているからだ。私は昔、クフ王のピラミッド内部にまで入ったが、その観光用の入り口まで登るのでさえも怖かった。実際に近づくと、予想以上に石が大きく何の手すりもない。登頂は見掛けほど簡単ではない。そのトンネル内部も暗く坂になっているので、足元が不安定である。特に、大回廊に続くところは大きな段差があって梯子がなければ登れない。私は本当は通路内部を“細かく調査”しながら登ろうと思っていたのだが、実際には足元だけが気になり、とても壁や天井の確認など出来るものではなかった。第一、通常の観光客はカメラを取り上げられる。内部写真を写せないのだ。大ピラミッド以外のピラミッド内部にも入ったし、いくつもの“王家の谷”の墓所内部にも入ったし、アブシンベル神殿の内部にも入ったが、カイロのミイラ安置室にも入ったが、どれも内部撮影が許されない。それでも、高所恐怖症の私が暗いトンネル内を歩き回れたのは「古代エジプトの神々」が見守ってくれたからに違いない。
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