私は普段あまり読まないが、ヤフーなどの“ネット記事”には、その記事に対して読者からのコメントが掲載されている。私が驚いたのは「アントニオ猪木」の現在の病状を掲載した記事に対しての読者コメントだ。元々、現在の猪木氏はYouTube動画で自分の闘病中の姿を投稿している。それが現在の使命でもあるかのように、包み隠さずリハビリ中の姿などを投稿している。かつての猪木氏からは想像できない“弱々しい姿”からの投稿が多い。ところが、そういう猪木氏の姿に対して、なぜかネット民は優しいのだ。読者コメントを読んでいくと、ほとんどの人が彼を称え、彼の“生き方”にエールを送っている。かつては彼のパフォーマンス的な行動に批判的だったような人ですらも、やせ衰えた猪木氏には優しい。その全盛期には“無敵”を誇った猪木氏も、病魔には勝てず、ここ数年はあちこちに故障を抱えているようで、完全に体力を奪われてしまった。或る意味で“痛々しい姿”とも言えるのだが、その姿を世間に“さらす”ことに対して“批判コメント”を見掛けないのは、やはり、かつての「雄姿」が鮮明に読者の脳裏に刻み付けられているからだろう。今ならコンプライアンスで問題になる「闘魂ビンタ」と呼ばれた彼の“平手打ち”も、彼だけには許され、山のように志願者があふれていた。あれは、いったい何だったのか。数週間前、たまたまBSで再放映されていた“異種格闘技戦”を録画で観たが、現代のレスラーたちとは何かが違うのだ。それは「日本人みんなの魂を背負っている」とでもいうか、大昔の武将を感じさせるオーラが立ち上っていた。日本の高度成長期には“彼”が必要だったのだ。いまは、或いはこれからは、誰が“みんなの魂”を背負っていけるのだろう。
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