私は“運命家”であるから、個々のニュースを見る場合でも、常に“人間の運命”という観点から見る。したがって、一見、全然別の出来事や事件であっても、そこに「偶然の一致」では済まされないものを感じることが多い。例えば、昨日、アントニオ猪木氏は“政界引退”を公表し、長州力氏は“レスラー現役引退”を公表した。もちろん、政界とスポーツ界で今は“異なる世界”に身を置いている二人だが、元々は同一のリングに上がり、火花を散らした二人でもあった。長州氏は猪木氏の背中を追いかけ、プロレスラーとなり、やがてライバルにまで成長した。どちらも「燃える闘魂」の持ち主で、特に猪木氏は日本の高度成長期に合わせるかのように、さまざまな話題を振りまき「プロレス」をメジャー・スポーツに押し上げた。力道山という下地はあったものの“日本のプロレス”を“世界のプロレス”にまで高めた立役者であることは間違いがない。政治家・猪木氏としての功績は、何と言ってもイラク戦争の時に単身乗り込んで交渉し、日本の人質41人を解放したことにある。正式な手続きを踏まないため疑惑を持たれたり、批判されることも多い猪木氏だが、その行動力と先見性はもっと高く評価されてよい。一方の長州氏はメキシコに行って後、大きく変貌した。長髪でサソリ固めやリキラリアットを繰り出すファイトは当時として新鮮だった。多くの後輩から慕われているという点で群を抜いている。この二人が、同じ日に「現役」を去った。同じ日と言えば、WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔氏が元モデルの一般女性と再婚したことを報告した。同じ日、元妻である谷村奈南氏の方は“ヨガの指導者課程”を修了し、ハイレベルの指導資格を得ることが出来たと報告している。それぞれの「新たなる出発」が、この日に始まった。そして、もう一つ、かつて「ダブルユー」として一世を風靡した辻希美氏と加護亜依氏が久しぶりに「ダブルユー」として生番組に出演したのだ。辻氏の方は4人の母親、加護氏の方は2人の母親となっていた。かなりのブランクがあるが「双子のように息が合っていた」と楽しそうだ。同じ日、かつてのモーニング娘。同グループに身を置いた市井紗耶香氏の方は参院選に立候補することを正式に発表した。みんなそれぞれが偶然にも同じ日に“新たなる船出”を迎えた。示し合わせたものではなくて、単なる“偶然”である。けれども、本当にそうなのだろうか。“運命の鐘”が鳴り響いて招集された「運命の児」「宿命の玩具」が何も知らされず、記者たちに取り囲まれた“そういう一日”だったかもしれない。
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