今年は「おしどり夫婦」と呼ばれた人たちが次々と離婚している。昨日も、丸岡いずみ氏夫妻が離婚を公表した。篠原涼子夫妻も、鈴木保奈美夫妻も、小林麻耶夫妻も、八代亜紀夫妻も、福原愛夫妻も……数え上げるときりがない。それぞれが大変に仲が良く、その熱々ぶりに“うらやむ声”が多かった人たちだ。この「愛」の“出逢い”と“別れ”ほど、われわれに「運命」を感じさせるものはない。ここで「別れ」というと“生別”ばかりを思い浮かべるかもしれないが、“死別”だって“紛れもない別れ”に違いない。そう考えると、誰もが「別れ」を経験する、或いは“している”ことになる。結婚や恋愛の「別れ」を経験していない人でも、親・兄弟との「別れ」は、或いは親友との「別れ」は経験している。つまり“別れ”を経験せず、生きてきた人などいないのだ。そして、人はだれでも「別れ」を経験することで、ごく自然に「運命」というものを意識する。一般的にいうところの「先天的運命」や「宿命的運命」を信じていなくても、世の中には“どうすることも出来ない別れ”というものが存在していて、愛した人との別れは「身を引き裂かれるようにツライものなのだ」ということを理解する。森羅万象が常に流転していて、それを止めることも出来ず、押し戻すことも出来ないものであることを理解する。そして、大自然の営みに本能的な“畏敬の念”を抱く。そういう意味では、たくさんの運命的な「別れ」を経験すればするほど、大自然界の営みに対しても、一見、何気なく過ぎ去ってきた自分の過去も、特に「出逢い」と「別れ」に対しては、何かしら視えざる“別次元の力”が介在していたかのような幻想を抱く。「運命なんか存在しない」と言い切れるのは、もしかするとまだ“視えざる力”が介在した“愛の出逢い”や“愛の別れ”を経験していないからかもしれないのだ。「別れ」をたくさん経験してきた人は、あがらうことのできない“視えざる力”の存在を知っている。それは「理屈」や「努力」では、どうすることも出来ない。「出逢い」には「別れ」が“つきもの”であることを誰もが知っている。それでも、そこを避けて通ることは出来ない、本能的に“別れ”の不安を抱きながらも、人は“出逢い”の「扉」を開いていく。
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