最近のアナウンサーというのは、時としてタレント以上にマスコミからの注目を浴びる。したがって大きなスキャンダルが出た場合、週刊誌などからの格好の餌食となる。2019年12月「週刊文春」が、テレビ東京の人気女子アナウンサーだった鷲見玲奈氏の同局内既婚アナとの「不倫疑惑」を大々的にスクープした。その直前、なぜか既婚男性アナは営業部へと異動となり、鷲見玲奈アナも生放送を続けて欠席した。そして、その後に3月いっぱいでテレビ東京を退局し、女子アナの宝庫「セント・フォース」入りして、フリーとなることが公表された。何となく、疑惑を肯定するかのような動きであった。けれども、今回行われたテレビ東京の“定例会見”に出席した小孫茂社長は、一連の質問に対して、実に見事な対応をしている。TV局社長の定例会見というのがいつから始まったのか知らないが、大体は“レギュラー番組の改編”などとは違ったところにマスコミは食いつく。そういう部分の質問に対しては、本来ならば適当に受け流しても構わない。けれども今回の小孫社長は違った。その対応をスポーツ報知が詳しく報じている。なぜスポーツ報知が詳しく報じたのかというと、担当記者が、過去において“改編会見”を仕切っていた鷲見玲奈アナのMCぶりを高く評価していたからである。担当記者が何度も挙手しても質問できず終った時、駆け寄って来て「せっかく挙手していたのに当てられなくて申し訳ありません」と頭を下げたという。その鷲見玲奈氏が「不倫疑惑」で退社に追い込まれた。社内の聞き取り調査で“否定した”なら、“異動”や“退局”はおかしいということになる。その部分を追及されても、小孫社長は本人たちの言葉を信じ“不倫疑惑”そのものを完全否定し、そのうえで「本人の希望で退局されると聞いた」と言い「本人の希望を最大限優先したい」と続け「今日集まったメディアの皆さんも、新天地で活躍できるよう応援してあげていただければありがたい」と結んだのだ。五輪中継のメインキャスターの候補でもあった鷲見アナが抜けるのは、決して本意ではないはずなのに「他にも優れた人材はたくさんおりますから…」と最後まで、受けて立った。マスコミ人がマスコミ人相手の受け答えとして、これ以上はないような素晴らしい「社長の器」を垣間見せてくれた。
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