毎年、注目を集める「芥川賞・直木賞」の候補作品。今回、直木賞の方は候補作に選ばれた6人全員が女性であることが注目を集めた。これは両賞が始まって以来のことであるらしい。かといって、選出されている女性作家たちが、特別有名だったり、華々しい活躍の女性達かというと、そうでもない。というか正直に言えば、私は失礼ながらどの方も名前すら、よく知らない。一応挙げておくと、朝倉かすみ、大島真寿美、窪美澄、澤田瞳、原田マハ、柚木麻子の各氏である。まあ私は最近ほとんど小説を読まないので、知らないのは当然と言えば当然のことなのだ。ただ昔は“直木賞候補作家”と言えば、人気作家として知られる方が、少なくとも大衆に名前を知られているような方が一人や二人は居たもので、そういう点で少し寂しい。もっと寂しいのは、文字通り“男性小説家”が一人もいないことだ。これは、男性達が小説を書かなくなったからだろうか。それとも優れた小説を書ける男性新人が出ていないからだろうか。私はそうは思わない。多分、これは日本の現状と深く関わっているのだ。つまり、紙書籍としての単行本が売れないからである。最近、ベストセラー作家であった百田尚樹氏が「小説家引退宣言」をした。ネット上では「閉店セール商法じゃないの」という見方もあるようだが、小説としての良し悪しは別にして男性小説家がまた一人消えることになる。彼のようなベストセラー作家であれば、巨富を得ることは出来る。けれども多くの小説家は“出版界不況”の影響をもろに受けている。つまり小説を書いても売れないのだ。売れなければ、当然のことながら収入は乏しい。何を言いたいのかというと、男性作家は女性作家とは異なり、生活がかかっているということである。もちろん、その点では女性作家も同様なのだが、ちょっとしたバイトやパート勤務などは女性の方が得られやすい。男性は“若手芸人”のような仕事であれば別だが、基本的に机に向かってじっくり時間をかけて書かなければならない本格的な小説は、アルバイトの片手間に出来るようなものではない。したがって“本が売れない時代”に「小説家」を目指すというのは、なかなかに勇気のいることなはずなのである。昔なら、TVのコメンテーターとか週刊誌のコラムなども作家が担当するのが常だったが、現在ではタレントや芸人が“その席”を奪っている。小中学生たちが憧れの職業として、ユーチューバーは入っても小説家は入ることがない。言い方としてはあまり良くないが“時代遅れの職業”になってしまった感が否めない。もっとも、そういう意味では“占い師”だって同様で、近年は男性占い師はどんどん減っている。占いの鑑定料金が低下傾向にあるからだ。さらに、もう一つ決定的なのは、若い人たちが昔ほど「占い」そのものに興味を持たない時代になりつつある。一つには、占い師の中に“本当に予言できる占い”を追求しようとする姿勢が希薄な傾向がみられる。だから、占いそのものの“価値”というか“地位”というか、それを占い師自身が下げている人たちが出てきている。つまり、“芸人枠の一つ”として「占い師」が存在しているかのような扱いを、芸能事務所などに属している占い師が率先して行っている。われわれは“お飾り”ではない。真摯に悩む人たちの“救世主”でなければならないのだ。
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