今年9月17日を最後に閉館した“六角形のコンサートホール”がある。47年前に建てられた「北海道厚生年金会館」→「現・ニトリ文化ホール」である。“雪の結晶”をデザインした建物で、だから“六角形”なのだ。北海道を代表するコンサートホールで、その舞台は“総ひのき”で出来ているが、北海道へと来た場合は、この舞台に上がることが“一流芸能人の証”とまで言われた。老朽化により閉館したのだが、この建物には出演者を人目につかず“逃れさせるための抜け道”があると関係者の間で囁かれ続けてきた。実は舞台で使う“せり”を使えば隣接するホテルのボイラー室へと入ることが可能であるらしい。そのボイラー室は駐車場へとつながっている。“噂”では、世界のYAZAWAなどもここを使って出入りしたらしい。このホールには私個人も“想い出”がある。なんと今から40年も前に、この舞台に上がっているのだ。なぜ上がっていたのかというと「北海道作詞大賞」の栄えある第1回目の受賞者となっていたからだ。もちろん「波木星龍」という名前ではなく、ちょっと恥ずかしいので出せない名前でだ。何んと、あの北島三郎氏によって歌唱された曲である。その様子はTV放映もされ、スポーツ新聞にもでかでかと載った。(日刊スポーツ新聞社の主催なので当然なのだが…)お恥ずかしい話、私は賞金目当てで応募してみただけだった。その当時、私は或る女性と恋愛し、婚約までしたが、結局、別れた。私の繊細なハートはひどく傷ついていた。そのせいもあってか風邪をひき、会社を休んでいた。(これでは、まるで「男はつらいよ」の寅さんではないか)その時、ラジオから流れて来たのが「北海道をテーマにした歌詞募集」のお知らせだった。風邪が治りかけていたせいで、布団にくるまりながら作ったのが「流氷の愛」という“変てこりんな歌”だった。まさか北島三郎氏が歌うなど想像もしていなかった。若い女性歌手が歌うための歌として作ったのだ。誰が北島三郎氏に“女性の悲恋歌”を差し出したのか。あの時、北島三郎氏は「他の奴はみんな“女ごころ”を歌ってヒットしてる。今度はオレの番だと思うんだ」と言っていたけど、評判が悪かったのか、翌月になったら「風雪ながれ旅」を大々的に売り出し、私の“変てこりんな歌”はヒットしなかった。そういうわけで、トロフィーは受け取ったが“哀しい想い出”の舞台となった。
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