カラテカの矢部太郎氏をご存じだろうか。細くて小さくて、いつも“ひょうひょう”とした感じの芸人だ。その矢部太郎著『大家さんと僕』が売れに売れている。10月に発売して既に15万部を突破したらしい。矢部氏が8年前から2階を間借りしている一軒家の大家さんとの関係を描いた作品で、漫画家の倉科遼氏に“作品化”を勧められ、描き出したらスイスイと形になった不思議な作品である。たまたま前に借りていた部屋がトラブル続きで“広いところ”に住みたいと見つけ出したのが現在の住居だ。大家さんとの出逢いからのエピソードを、ほっこり切なく描いてある。39歳の孫息子と87歳の祖母との関係のような、奇妙とも心温まるともいえる“不思議な関係”を描いた作品である。彼自身は、2階の自分と1階の大家さんとの暮らしや繋がりから「それぞれの倖せがある」ということを描きたかったのだという。実は、私がここに取り上げたのは、この二人は気付いていないが、運命学的にはここに“パートナーの法則”が作用しているからだ。つまり、二人は、それぞれに“孤独”だったのだ。その二人が“一つ屋根の下”で暮らすことになった。こういう風になった時、それが“異性同士”である場合、運命学的には“パートナー関係”が作用し始める。早い話が“結婚”したのと同じような“形”が作用し始めるのだ。もちろん、本人たちに“そういう意識”は全くないし、無い方が良い。けれども、運命学的には“そういう作用”が働くので、二人の相性が良い場合、公私ともにプラスの作用が働くことになる。したがって、二人の関係をそのまま描くことによって、矢部氏は“人気”や“収益”を得られることになったのだ。もちろん、彼女の方も“若さ”や“健康”を得て、さらに母親のような感覚での“生きがい”を得ることにもなった。しかも、もう一つの大切なことは、正に矢部氏の言うがごとくに、人には“それぞれの倖せ”があり、決して型に当てはめたような“倖せ”だけが、倖せではないということを世間に知らしめることが出来た。これこそが“二人”がデートをしながら、体験的に知ることになった“最大の功績”なのである。
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