私が開幕前から予告していたように、中日の松坂大輔投手が「二刀流」で2勝目を挙げた。20日の試合で、その第2打席、第3打席で二打席連続のヒットを放ったのだ。「松坂大輔」といえば、もう“過去の人”だった。誰もが、そう思っていた。けれども、私は“コツ”さえ掴み出せば、必ず復活するだろうと思っていた。もっとも肩を壊しているので昔のような剛腕の投球は出来ない。それでも、人間というのはその人に“見合う座席”というものがあり、アメリカで百億以上の金を動かした松坂選手には“それなりの力”は眠っているからだ。松坂選手が“急下降”したのは、アメリカ批判をしたからである。例えば日本で活躍している外人選手でも、もし“日本批判”を真正面から行ったなら、日本人の多くは応援しなくなる。それは仕方のないことである。それが“良い”“悪い”ではないのだ。世の中とはそういうものである。日本に戻って、松坂氏は、日本人の“暖かさ”を改めて感じたに違いない。元々この人は高校生の時には4番を打っていた。「二刀流」としての素質は十分にあるのだ。これは彼だけの話ではない。よく「もう昔のことだから…」といって、今はとても無理だと最初から諦めてしまう人がいるが、何となくの“コツ”や“雰囲気”や“勘”を取り戻せば、昔のようにはゆかなくても、それなりの力は発揮できるものなのだ。松坂氏が冗談のように語った「バッティングを期待されて入れてもらった…」という物言いは、必ずしも冗談ではないのだ。最悪の場合はバッティングの方で使ってもらえるくらいの働きはしなければ…という思いが、どこかにあるからに違いない。そして、そういう精神が、彼に“7三振”を取るまでの投球術を与えたのだ。世の中にはリストラされて、もう昔のような活躍は出来ない、と沈み切っている方が多数おられるに違いない。けれども、違うのだ。人間の“素質”とか“運”とか“格”というものは、そう簡単に“崩れ去る”ものではない。ただ、同じ形、同じ所、同じ条件で挑もうとすると失敗する。「原点」に立つことが出来れば、復活は誰にでも可能なのだ。
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