昨日一日の間に“日経平均”は1010円下がった。一日で1000円以上も下がったのだから、ニュースでも大きく取り上げるのは当然である。けれども、あまりニュースでは取り上げられなかったが、実はここ何日もの間、日経平均はずっと下がり続けている。もう少し前から見ても、世界的に株価は下落し続けている。今年10月初めに27000ドルのピークを付けたアメリカのダウは、何の前触れもなく一気に下げ始めた。確かに昨年からダウは異様なほど“上昇”し続けていて、何となく奇妙な印象はあった。10月からの下落幅はダウの場合、大まかに言えば5200ドルである。この数字だけを見れば「日経平均と変わらないではないか」と多くの人は思う。なぜならその間、同じように日経平均は5300円ほど下がったからだ。ところが、長期的に見ると、そうではないことに気が付く。実は下落後の日経平均は2015年頃の株価水準に戻っているのだ。つまり3年分の株価上昇分が、この2カ月で一気に失われてしまったのだ。一方、アメリカはどうなのかといえば、昨年9月の株価水準に戻っただけである。この価格というのは、2015年頃に比べると4000ドルも上昇している。つまり、日本は2カ月で3年間の上昇分を失ったが、アメリカの場合は、2015年頃と比べて4000ドル上昇した付近に差し掛かった状態ということだ。しかも、日本株の場合は、何かしら日本国内に問題が起きて株価が急落したのではない。アメリカと中国との“貿易戦争”に巻き込まれた形で急落した。アメリカと日本の“二国間交渉”は実質的に来年始まるのだ。しかも、10月からの“急落の真相”がよく解からない。色々と理由を付けて解説されるが、ことごとく後付けである。私は以前、日本株の“急上昇”を予測し、それは見事に外れたが、全部が外れたのではない。その時、私は“急上昇”する条件として、“ドル円相場”と“原油価格”を指摘した。つまり、ドル円が117円くらいまで上昇し、原油価格が60~80ドルの間で安定していることを条件とした。ところが、その後、この二つの“条件”は完全に逆方向へと動き出した。ドル円は“ドル安方向”に動き、現在は110円台となってしまった。原油価格も60ドルを大きく割り込み、現在は42ドル付近にある。その時も書いたが、日本株は50ドルを割り込むと“欧州勢の資金”がいっせいに引いていく。だから急落するのだ。つまり、日本株が元に戻るためには、アメリカ株の上昇はもちろんだが、原油価格が早く60ドル台へと戻ること、そしてドル円相場で1ドル113円台に戻すこと、この二つが絶対条件となる。
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