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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


“AⅠ”は、なぜ「未来予測」が苦手なのか


近年、遠くない将来には「AI」が人々の日常を手助けするようになる、と言われてきた。既に多くの分野で、その予兆はある。実際ここ十年ほどの間にも様々な分野に「AI」は進出してきた。ところが、どうもいま一つ、その成果を挙げられていない分野もある。その一つが「投資・相場」の分野だ。こういう世界こそ、AIの独壇場ではないかと思うのだが、実際にはそうでもないらしい。AIを使った国内販売の「アクティブ投信」15本のうち、6月末時点で一年以上を経過している“投信10本”を対象として、ここ一年間の基準価格の騰落率を調べたところ、何とすべての投信がマイナスの成績だったというのだ。ちょっと信じがたい結果である。「囲碁」とか「将棋」とかの勝負では次々と勝利を収めて来たAIだが、“お金”の勝負にはからきし弱かったのだ。もっとも“相場のプロ”であるアナリストたちの予想も、外れるケースの方が圧倒的に多いから、そういう点では“互角”ともいえるが、何となく釈然としない。AIの場合、膨大なデータを読み取り、多面的に分析して、銘柄を抽出する。本来であれば、アナリストよりもはるかに“好成績”を挙げていなければならないような気がするのだが…。けれども、よくよく考えれば、不思議でも何でもない。「相場」は“生き物”なのだ。AIが分析しているのはあくまでも“過去もデータ”にすぎない。そこには百年以上、前のデータも含まれる。時代は刻々と変わり、人や企業や社会の形態も大きく変わっている。昔のデータがそのまま“未来を映し出す鏡”とは必ずしも言えない。昔から相場というのは“美人投票”に似ているといわれる。「美」の基準というのは、有って無いようなものである。最終的には個々の“好み”に行き着く。だから、必ずしも企業業績が優秀だから買われているとは限らない。毎年、大赤字の企業でも、将来的に“大儲けするはず”と信じる人が多ければ、その企業の株価は上昇していくのだ。つまり、投資家はその企業の「未来」を買っていることになる。そういう“データにはない心理”というものが株価には反映されている。したがって「AI」にそういう“投資家の心理”を読めというのは酷なのかもしれない。そして、ここからが重要なのだが、実は「人間の運命」にも同じような部分があって、必ずしも“先天的な素質”に恵まれているから“成功する”とは限らないのだ。人は、微妙な心理から“人を応援”したりするからだ。最終的に「運命」とは、そういうさまざまな応援とか謀略とかも含めて描き出されていくものだからである。

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